宝箱が一杯
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第一章
宝箱が一杯
エンリケ=インファンテとマルタ=マッケイはこの時インファンテの神託でキューバのハバナに来ていた。
ハバナに入ると街は相変わらず観光客で賑わっていた、ビーチも同じで様々な種族の水着の美女達で溢れ返っていた。
そのビーチを見つつインファンテはマルタに言った。
「泳ぐのもええが」
「まずは、ですね」
「そや、やらなあかんことがある」
「神託ですね」
「自分のな、それをやってな」
そうしてというのだ。
「楽しい思いせなな」
「だからですね」
「まずはな」
「神託をですね」
「探そうか、それやからな」
インファンテは自分のすぐ後ろにいるマルタにさらに話した。
「ギルド行こうか」
「まずは」
「そしてな」
「神託でありそうな依頼があれば」
「それを受けような」
「わかりました、ほな」
マルタはインファンテの言葉に笑顔で応えた、そうして彼についていってハバナのギルドに入った。
二人は素性を隠してそのうえでインファンテの神託でありそうな依頼を探したが依頼は多くは島国キューバに相応しい海にまつわるものが多く。
中には洞窟にまつわるものもあった、ハバナ郊外の洞窟で人食い箱やミミックが大発生したので退治して欲しいというものだった。
その依頼を見てだ、ギルドにいた冒険者達は嫌そうな顔になっていた。
「そんなの誰が受けるんだよ」
「何だよ、人食い箱やミミックの大発生って」
「元々宝箱が多いよな、あの洞窟」
「モンスターの宝物庫になってるからな」
「財宝やアイテムはいいにしてもな」
「ミミックとかはいらねえよ」
モンスター達はというのだ。
「あいつ等強いしな」
「どっちのモンスターもな」
「下手な冒険者なら箱開けた瞬間にガブリだろ」
「それでお陀仏だからな」
「絶対に受けるか、こんな依頼」
「術で識別して財宝やアイテムゲットならいいけれどな」
「あんな連中退治しろとかないだろ」
そうした依頼はというのだ。
「誰が受けるか」
「そんなの軍隊にやらせろよ」
こんなことを言って誰も受けようとしない、だがインファンテはその依頼を見てマルタに対していつもの冷静な表情で言った。
「これや」
「この依頼ですか」
「そや、この依頼を受けてな」
そうしてというのだ。
「そのうえでや」
「洞窟の中の人食い箱やミミック達をですね」
「退治する、それがな」
「インファンテさんの神託ですね」
「いつも言ってるな、自分とマルタの仲や」
やはり冷静な顔のまま言うのだった。
「名前で呼んでくれ」
「エンリケさんと」
「それでええ」
「ほなエンリケさん」
マルタも彼の言葉を受けて呼びなおした、そうして言うのだった。
「これが神託と思うから」
「依頼受けてな」
「洞窟に入って」
「退治するで」
人食い箱やミミック達をというのだ、こう話してだった。
二人でそのハバナ郊外にある洞窟の中に入った、するとその中はモンスター達だけでなくあちらこちらに宝箱があった。
その宝箱達を見てだ、インファンテはマルタに話した。
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