神殿のドラゴン達
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第六章
「しゃあないやろ」
「上を見ていなかったことはか」
「空を見ていなかったことは」
「仕方ないというのだ」
「自分達はこの海の守り神やしな」
三匹で力を合わせてこの辺りの海を見守りその調和を維持しているからだというのだ。
「空のことは管轄外やしな」
「だからか」
「そちらのことはか」
「見ていなくて当然か」
「神様にもそれぞれ管轄があるしな、けど空にも守り神が必要やし」
インペルは今度はこの辺りも治める星の者として話した。
「統治としてもな」
「していくか」
「二度とああした輩が出ない様にしていく」
「そうしていくか」
「そうするわ」
こう言ってだった、インペルは実際にだった。
為政者としてこの辺りの空の取り締まりも力を入れる様にし守り神として浮島の一つに神殿を置くことにした、そしてだった。
二人はそうした手筈も整えると島を後にした、そして島を出てブエノスアイレスに向かう船に乗った時に。
インペルの手にあるものが宿った、それは何かというと。
「クリュサオルの鎧や」
「ギリシア神話の神様か」
「ポセイドンの息子のな」
その名前の意味は槍を持つ者という意味だ、インペルはルルフォに今自分の心の中に語り掛けてくる言葉をそのまま話した。
「その神様の鎧や」
「胸と腰、膝に腕も守ってるな」
「プレートメイルやないが」
「プレートメイル並にやな」
「身体守ってくれててな」
それでというのだ。
「特に水棲モンスターから身体を守ってくれる」
「そちらへの防御力が強いか」
「そうした鎧や、それでな」
インペルはルルフォにさらに話した。
「神託を乗り越えてな」
「それでか」
「私自身強うなった」
これもまた心の中にそのまま言ってくる言葉だ。
「全体的に一回りな」
「そうなったか」
「そや、それでな」
それ故にというのだ。
「この手に入れたもんでな」
「それでやな」
「この世界救おうな」
こう言うのだった。
「絶対に」
「そやな、ほなな」
「まずはブエノスアイレスに戻って」
そうしてというのだ。
「それからや」
「あらためてやな」
「この世界を救う為に働こうな」
こう言ってだ、インペルは前を見ていた。もうその先にあるものを見ていてそうして動こうと決意していた。
神殿のドラゴン達 完
2019・6・23
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