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レーヴァティン

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第百九話 書の収集その一

               第百九話  書の収集
 英雄は仲間達そして六万の軍勢と共に大坂に戻るとすぐに領内の名のある寺社や書を持っている学者達に人を送り蔵書を印刷術まで使って写させた、そうして多くの書を書庫に置くことにしたがこの時にだった。
 その書を収める建物が建てられていくのを見てこう言った。
「図書館だな」
「そのままですね」
 紅葉が応えた。
「それは」
「そうだな」
「やがてこの書達をですね」
「多くの者が読める様にもする」
 集めるだけでなくというのだ。
「近いうちにな」
「建てられてですね」
「ある程度の書が集まってからな」
「学問、教育の為に」
「そうする、そしてだな」
「それはまさにです」
 紅葉は英雄に再び話した。
「図書館です」
「そうだな、図書館をな」
「開きますか」
「領内でな、この大坂以外にもだ」
「図書館を開き」
「学問に励む者達が学び」
 そしてというのだ。
「己の学識を高められるな」
「そうした場所をですね」
「多く設けていく」
「それもまた国力を高める」
「それにつながるからな」
 学問による人材育成もというのだ。
「だからだ」
「そうしたことも行い」
「強くなる、そしてな」
「その力で」
「海の魔神も倒す」
 このことをここでも言うのだった。
「必ずな」
「学問もその為の力ですね」
「多くの人材も必要だからな」
「海の魔神と戦う為には」
「俺達だけでは勝てない」 
 英雄は魔神のことをよく知らない、西の島にいた時にデルフォイで学んだがそれでも名前すらわかっていない。
 しかし強大な力を持っていることはわかる、その根拠も言うのだた。
「だが世界を石化して海に沈める」
「そこまでの力があるのなら」
「俺達十三人、西の島の十三人とだ」
「二つの浮島の力だけでは」
「不十分だ」
 これが英雄の見立てだった。
「その可能性が高い」
「だからですね」
「浮島の国力を高めてな」
「兵達に優れた武具を与え」
「そしてだ」
 英雄は紅葉にさらに話した。
「優れた人材もだ」
「必要ですね」
「今の浮島の力だけでは足りない」
「それ故に」
「今からな」
「人材を育てる為にも」
「書も集める」
 そうすると言うのだった。
「図書館も設けてな」
「そして寺子屋もですね」
「学問と教育に力を入れれば」 
 この二つに国力を注げばというのだ。
「人材が育つ」
「人材は天才を待つのではなくてね」
 今度は桜子が話した。
「育てるものだね」
「そうだ、そして天才もその分野に知識がないとな」
 それならというのだ。 
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