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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第1部~崩壊する楽園~
  第23話『高速の最終決戦!ディロード ソニックフォーム!』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「もう、いい人でいるのは疲れたんだ。」
「凪風雅の国家代表資格を剥奪。凪風雅を指名手配します。」
「雅、仲間じゃなかったんかよ!」
「一緒に逝こうぜ、雅さん!」
「雅、あなたを国家反逆罪で逮捕します。」
「強くなったな、フェイト。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「ここまでよく頑張った、フェイト。最後の一踏ん張りだ。よく見るといい。」
【ATTACK RIDE-SONIC-】
ディロードはロードスラスターにソニックのカードをスキャンする。すると、ロードスラスターは二手に分かれ、ディロードの装甲は肩と手甲、足を残して弾け飛び、それらはエネルギーに変換されて二手に分かれたロードスラスターに装着され、二丁のロードスラスターになる。
「もし僕に勝てるなら、これを参考にソニックフォームを強化するといい。」
「雅、その姿は…」
「行くぞ、これがディロードの速さの真骨頂。仮面ライダーディロード ソニックフォーム!」
ディロードは二丁のロードスラスターを構える。
「雅もソニックフォームを使えたなんて…」
フェイトはバルディッシュを構える。

ディロードとフェイトの戦いは速攻で決着がつくと思われていたが、硬直状態になっていた。何故ならお互いにソニックフォームの運用方法を熟知しているため、下手な行動が命取りになることを理解しているからだ。
「やはり、なかなか動かないな。」
「雅の方だって。私、気付いたんだ。もしかして、雅のソニックフォームはロードスラスターで射撃する機能が発揮出来ないんじゃないかなって。」
「よく気付いたな。」
フェイトの刃はひとつ。対するディロードの刃は二つ。刃を構えた戦闘は、刃が多い方が不利になる。ディロードのブラストはそれを打開する力を持つが、それを使わないことでフェイトに悟られる。
「だが、これならどうだ!」
【ATTACK RIDE-BLARAUZER-】
ディロードはロードスラスターにブレイラウザーのカードをスキャンして、ブレイラウザーを二刀流で構えると、
[slash thunder lightning slash]
ディロードは二振のブレイラウザーから雷の斬撃を放つが、フェイトはソニックムーブでそれを回避し、
「サンダーレイジ!」
サンダーレイジを放つ。
「当たるか!」
ディロードはサンダーレイジを回避し、
【ATTACK RIDE-ONGEKI GEN RETURAI ONGEKI SINGEN RETUZAN-】
ロードスラスターを烈雷と烈斬に変える。
「音撃斬、雷電激震!音撃斬、雷電斬震!」
ディロードは二振の音撃弦から雷の衝撃波をフェイトに放つ。
「雷電一閃、プラズマザンバー!」
フェイトは衝撃波に対して必殺技を放ちかき消す。しかし、
「カルテットバインド!」
ディロードはカルテットバインドを使ってフェイトを拘束する。
「しまった!」
フェイトは驚くが既に遅く、
「フェイト、魔導師には最大出力(エクストラスキル)があるのは知っているだろう?」
「…うん。」
「僕の持つ最大出力(エクストラスキル)は資質変換。読んで字のごとく魔導師の資質を一時的に変異させるスキルだ。そして、僕が選んだ対象は砲撃魔導師。つまりなのはと同じ資質だ。当然、その最大出力(エクストラスキル)も発動出来る。」
「…まさか!?」
「そう、残留魔力の収集も行える。厳密には電撃のエネルギー全てを収集しているが。」
「もしかして、全部このために!?」
ディロードの言葉を聞いてフェイトは思い出す。キョウリュウゴールド、電撃使い、ブレイラウザー、音撃弦、そして自身がそれらを防ぐために使った魔法。全てが雷の属性を所持していることを。そして、ロードスラスターに収束されたエネルギーは巨大な魔力の刃になる。
「これで終わりだ、フェイト。疾風迅雷、スプライトザンバー!」
ディロードは右手の刃を振り下ろす。
「ラウンドシールド!」
フェイトはラウンドシールドで止めようとするが、
「刃はもう一つある!撃ち抜け、雷神!ジェットザンバー!」
ディロードは左手の刃を横一文字に放つ。放たれた刃はバリア、盾、結界を破壊する力を用いてラウンドシールドを破壊しながらフェイトを切り裂き、ラウンドシールドを失ったことで縦一文字の刃がフェイトを切り裂き、爆発が起きる。その威力は凄まじく、フェイトはバリアジャケットを失い、服の再精製も行う力を失う。
「フェイト!?」
ディロードは直ぐにフェイトに近づき、変身を解除して上着をフェイトに被せる。
「…雅?」
「意識はあるのか、フェイト。」
「…私、雅に負けちゃったんだ…」
「ああ。」
「…じゃあ、これで…」
「そうだ。これでみんなの世界を救える!」
「えっ?」
雅の言葉にフェイトは驚く。
「だって、雅はこの世界のために、私達を倒すって…」
「そうだ。この世界を救うことで、みんなの世界の歯車が元に戻る。今度こそ、みんなの世界を完全に救える。」
「待って、話が違う。」
「悪かった。だけど、この方法しかみんなをライダーカードに隔離する手段がなかったんだ。」
「それじゃあ、雅はずっと悪い人のふりをしていたの?」
「そうだ。だから安心していい。詳しい話はリンディ長官に聞くといい。だから今は、ゆっくり休むといい。」
「わかった。雅の言葉を聞けて、安心出来た…」
フェイトはそう言い残してライダーカードに変わる。
「……全ての世界…捕まえた!」
雅は歯を食いしばりながら宣言し、融合した35の世界は全てライダーカードに変わった。

「…漸く着けた。随分と離れてしまっていたのか。」
雅は、ディロードドラゴンを倒した場所にいた。
「待っていてくれ、みんな。すぐにそこから出してあげます。」
雅は35の世界のライダーカードを全て取り出す。すると、リィンフォースのカードが光り出す。
「リィンフォース、手伝ってくれるのか。」
雅はリィンフォースを召喚する。
「雅、一人では大変だろう。私も手伝うよ。」
「ありがとう、リィンフォース。」
雅とリィンフォースはライダーカードを使って魔法陣を作成する。
「あとは、これを起動させる術式だけか…」
雅は魔法の使用を開始しようとする。
「雅、今の君のリンカーコアの残量では、魔法の維持は難しいだろう。私のリンカーコアを使うといい。」
雅に対してリィンフォースは助言をする。
「駄目だ。そんなことをすればリィンフォースのカードはエネルギーを全て失い、消滅する。」
「君は装填の守護者だろう?私の運命は、あの日、クリスマスの日に終わりを迎え、私の物語は閉じたんだ。今まで、こうしていられただけでも、充分なわがままなのだよ。」
「そうだったな。僕は装填の守護者。既に消えたリィンフォースを、ここにつなぎ止めることはしてはいけないんだ。」
雅がそう言うと、はやてのカードが光り出す。
「はやて…」
雅ははやてのカードに近づこうとする。
「雅、我が主は私が消えることを止めようとしている。だから、そのままにしていてほしい。」 
しかし、それをリィンフォースは止める。
「…わかった。リィンフォース、儀式を始める前に、少し話をしよう。」
「何の話がしたい?」
「そうだな、思い出話なんてどうだ?」
「思い出と言われても、私は話せることなどあまりないよ。」
「いいんだ。この時間が大切なんだ。」
「そうかい。それなら、雅はよく頑張ったと思うよ。」
「どうしたんだ?」
「これだけの友と戦うことに、戸惑うこと無くひたすら一生懸命だっただろう?」
「ああ。これは僕にしか出来ないことだ。もしそれで憎まれても、それで世界が救えるなら、僕は構わない。」
「雅、やっぱり君は壊れているのだね。」
「それは、自分自身でよく理解している。」
「どうすれば、君はこんな風にならなかったと思う?」
「どうやっても、変わることは出来ない。」
「それは違うよ。私の運命はなのは達と、我が主が変えてくれた。」
「僕の世界には、あんなに優しくて心の強い子はいない。」
「それは、とても辛かったね。」
リィンフォースは苦い顔をしている雅を抱き寄せる。
「どうしたんだ、リィンフォース?」
「君はどうして、それを辛いと言えないんだ。」
「リィンフォースに言われたくないよ。リィンフォースだって、無理矢理呪われた本に作りかえられて、何人もの主を…」
「私は本の管理システム。人工知能のようなものだ。だが君は人間、生きているだろう。だから私のようになってはいけない。わかったかい?」
「…わかった、ありがとう。リィンフォース、そろそろ儀式を始めよう。」
「ああ、わかったよ。」
雅とリィンフォースは魔法陣の中央に立つ。
「-飛ばし繋げよ世界の道。渡るは次元、歩むは大地。集う世界を平穏に、思いと願いは永遠に。果てにある輝きとそれらを民に、いつか見た温かい思い出の為に、全ての祈りを今掲げ。全ての民を故郷へ。-」
雅が呪文を唱え終えると、魔法陣とリィンフォースは光り出す。
「雅、あとは私に任せるんだ。」
リィンフォースは自身のエネルギーを最大限に解き放つ。
「大丈夫か、リィンフォース?」
「ああ。もうすぐ、終わる。」
リィンフォースがそう言うと、ライダーカードは全てその場から消え、ライダーカードケースに戻る。
「リィンフォース?」
「無事成功したよ。これで、そのライダーカードはただ力を発揮するだけのものになった。雅、私ももう消える。」
リィンフォースはそう言うと、雅の頬に軽く口づけをした。
「…実に50年ぶりだな。」
雅がそう言うと、リィンフォースは顔を赤く染めるが、
「私との別れなのだ。我が主にからかわれるといい。」
そう言い残してリィンフォースのカードは消滅し、リィンフォースも雪のように消えた。
「…これで、全ての準備が整ったか…ッグ!」
雅は何かに腹部を貫かれる。
「まったく…久しぶりに合えばそれか…」
雅はその場に倒れる。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「みんなで雅を利用していたの!?」
「他に手段はありませんでした。」
「あれは…ディロードドラゴン!?」
「どうしたんだよ、シャマル!」
「…だって雅君…死んでいるんだもの!」
次回『装填の殲滅龍』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ソニック:ロードスラスターにスキャンすることで、ディロードをソニックフォームに変身させる。
ブレイラウザー:ロードスラスターをブレイラウザーに変える。
音撃弦 烈雷:ロードスラスターを烈雷に変える。
音撃弦 烈斬:ロードスラスターを烈斬に変える。
リィンフォース:幸運の追い風、祝福のエール、リィンフォースを召喚するためのカード。現在は消滅し、再入手不能。

新フォーム紹介
仮面ライダーディロード ソニックフォーム
身長:198cm
体重:75kg
パンチ力:4t
キック力:3t
走力:100mを0.0005秒で走る。
ディロードがロードスラスターにソニックのアタックライドをスキャンすることで変身するスピード戦士。変身時にロードスラスターを二丁に分断するが、剣術に特化した性能になる為、銃としての機能は完全になくなる。 
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