魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
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第62話 面白い話をしよう。
面白い話をしよう。
現在、この地球で人間が住める陸地の面積は、大体五割しかない。
原因としては、大戦時に魔法による大規模な破壊活動が行われ、大地がボロボロになってしまったのが一つ。
もう一つは、“魔族”が居るからである。
人間の領地と魔族の領地の境では、毎日のように領地をかけた争いが起こっている。
……皆してこんなに遊んでいるのに。
ハク「わーい‼︎ ボクの勝ち〜‼︎」
グレ「だー! ハクに負けたぁぁあ‼︎」
ハク「グレースくん、弱ぁ」
真希「てめえらぁぁああああああ‼︎‼︎」
グレ「うわびっくりした‼︎」
……中断されたけど。
真希「てめえら、光栄に思えよ。俺様の推薦で、てめえらは戦場に行けることになったぜ‼︎」
「「「「………………え?」」」」
真希「十分後出発だぁ準備しろや」
「「「「…………マジすか」」」」
◇ ◇ ◇
「やぁやぁ諸君‼︎ 元気そうで何よりだよ‼︎ わーっはっはっは‼︎」
「うるせぇッ‼︎」
「む、白雪君では無いかー! 中々、いいエルボーだったぞぉ‼︎」
「黙れクソ教官……‼︎」
と言う訳で、ずーっとボードゲームばかりして過ごしていた俺達“普通の”囚人は、なんか遠いところに来た。
「先日連れてきた君の研究の成果、とても綺麗だったなぁ‼︎ それに、お揃いのピアスまでしていたではないか‼︎‼︎ どこまで進んだんだ⁉︎」
「一回黙れの後に死ね」
「はっはっはー‼︎ 相変わらず、冗談がキツイなぁ、白雪君は‼︎」
何処だよ、ここ。マジで。
「あの……偽ヤクザさん。ちょっと手伝っては貰えませんか……? 背がほんのちょーっと足りなくて、四人に支給された箱に手が届かなくて……」
「ハッ、チビだな」
「チビじゃないです」
「チビ」
「チビじゃない」
「チビ」
「チビじゃない」
「チビ」
「チビじゃない」
「チビ」
「チビじゃない」
「チビじゃない」
「チビ……あ……あぁぁぁああああああああああ‼︎」
「認めたな」
「今のはハメられただけです! と言うか、早く取ってください‼︎」
「……ったく、しょうがねぇなぁ。ほらよ」
「ありがとうございます。じゃあ皆さん、更衣室はソコです。着替えてきてください。着方が分からなければ、偽ヤクザが更衣室に突っ込んでいきますので、ご注意を」
「おい、“偽ヤクザ”はいい加減止めろやぶっ殺すぞ」
「じゃあ“先輩”でどうですか?」
「“真希様”」
「……はぁ、うざ」
「あ゛ぁん? 煽ってんのかてめえ。細切れににしてマフィアに送りつけてやらぁ」
「それであの弁当と同じようになれって事ですか! 上等ですよやってみろやです‼︎」
「違ぇよ。虫と一緒に調理されちまえって事だ」
「すみませんやっぱり勘弁してください真希様」
———着替える。
「かなり似合っているぞ、君達‼︎ 君達なら、良い領地守護者になれるかもしれないぞぉ‼︎ と言うわけで、早速彼等の実戦を見るといい‼︎ あーっはっはっはっは‼︎‼︎」
テンションたっか。
と言うか、この人のこと真希さんは“教官”て……
え、真希さんに誘拐されて来た此処で、俺達戦うん?
「……ふぅ。これで、一通り片付いたんじゃないですかね。どうですか“マキサマ”」
「あー……ま、一丁前に戦えるようにはなったんじゃねーの? 別に、俺ぁてめえなんざどうでも良いんだよ。どーせ、連中に認められたら、てめえは直ぐに俺の管轄外に行っちまうからよぉ?」
「嗚呼、そんなことで拗ねてたんですか」
「拗ねてねぇよぶっ殺すぞてめ」
「先程、教官さんから聞かれましたよ。“君は何処の派閥に所属するのかね?”って。びっくりしましたよ。“こんな、ただの争いばかりの地に派閥とか決めて遊んでいる暇があるなんて”。……とか考えて、貴方は何処の派閥にも属さない一匹狼になったんですよね、きっと」
「……だからなんだよ。つーか、俺様の思考を勝手に覗き込むな殺す」
「おっと、話はまだ続いていますよ。これは貴方の性格から考えた推測です。貴方は誰かに縛られた中で行動するより、一人で自由に行動する方が向いています。誰の話も聞かないでしょうから」
「なーんか、今バカにされた気がしたんだが?」
「気の所為じゃないですかね」
「気の所為じゃねぇよボケ‼︎ てめえいっぺん死んでこい‼︎‼︎」
「悪いなぁ君達‼︎ 彼等は優秀すぎて、もう実戦は終わっていた! 喧嘩も終わったから、つまらなくなったな‼︎ よし、君達は帰っていいぞ‼︎」
「「「「え」」」」
◇ ◇ ◇
「「「「「「は」」」」」」
「「「「俺達何のためにあの場所に誘拐された⁉︎⁉︎⁉︎」」」」
「「こっちも一緒に飛ばされるのか⁉︎⁉︎」」
『君達全員で協力して、お題をクリアするんだ‼︎ 頑張ってきてくれ‼︎』
琴葉「何ですか、この紙……教官さんの字ですけど」
真希「おい、アレ……」
ハク「え、なになにー⁉︎」
シン「何だ?」
グレ「え……?」
レン「泣いていいか?」
「「「「「「『ドキドキッ☆ 富士の樹海で一週間キャンプ‼︎』ってなんだよ‼︎‼︎‼︎‼︎」」」」」」
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