ある晴れた日に
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394部分:目を閉じてその二十一
目を閉じてその二十一
「皆公平に映れるし。いいかも」
「ついでにその娘と咲のツーショットも撮って欲しいかなって思ってるけれど」
明日夢はくすりと笑ってこんなことも言うのだった。
「それは駄目かな」
「ああ、撮ってくれた御礼にね」
「そのツーショットだけれど」
それだというのである。
「どうかな、それで」
「そうね。それだったら」
咲は顎に手を当てて考える顔になりながら述べた。
「いいわよね」
「咲もあれでしょ。もう一人ともツーショットできるじゃない」
「ええ」
「悪い話じゃないわよね」
あらためて問う明日夢だった。
「そうでしょ?」
「ええ、じゃあそれで御願いね」
明日夢に対してあらためて告げた。
「その娘呼んできて」
「了解。じゃあちょっと待って」
こうしてその娘が呼ばれて写真が合計二枚撮られた。そんなことをしながら皆で楽しい時間を過ごした。しかし楽しい時間も必ず終わるもので皆スタープラチナの前で解散となった。
「それじゃあね」
「またね」
こうして一旦別れる。だが正道と未晴はそのまま残るのだった。
「ああ、二人でね」
「帰るの」
「ええ」
未晴は咲達の言葉に答えた。
「悪いけれど」
「別に悪かねえよ」
春華が笑ってそれは否定した。
「こういうのはな。やっぱりな」
「彼氏に送ってもらうのが一番」
「そうそう」
他の面々も笑顔でそれに頷くのだった。
「だから今日はここでね」
「お休みなさい」
「ええ、お休みなさい」
未晴も笑顔で別れの挨拶をする。これで彼女達は別れた。何時しか他の皆もそれぞれ帰ってしまっていて残っているのは正道と未晴、そして明日夢だけになっていた。
未晴はその明日夢を見て。ふと声をかけるのだった。
「少年はお家ここよね」
「そうよ」
にこりと笑って未晴のその問いに答える明日夢だった。
「このビルの裏がね。お家なのよ」
「そうだったわね。確か」
「まあこっちには殆ど誰も来ないけれどな」
「そういえばそうだな」
正道も明日夢に言われてこのことに気付いた。
「おたくの家には行ったことないな」
「いつもスタープラチナか白鯨だからね」
「そうだな、本当にな」
「別に家に来てもいいけれど」
この辺りは非常にオープンな明日夢だった。
「別にね」
「いいの?」
「だって友達じゃない」
未晴の問いにも明るく答える明日夢だった。
「だからいいわよ。何時でも来てよ」
「何時でもって」
「もっともカラオケとかお酒はないけれどね」
それはないというのだった。
「あるのはビールと日本酒位ね」
「あるんじゃないか」
ビール、日本酒と聞いてすぐに突っ込みを入れた正道だった。
「やっぱり酒。あるんじゃないか」
「あるけれどお店のとは違うわよ」
それとはまた別ということだった。この辺りは実に割り切っている明日夢だった。
「家で飲むものだから」
「だから別か」
「もっともお客さんなら飲んでいいけれどね」
「じゃあやっぱり飲めるんだな」
「そういうこと」
結局はそうなのだった。
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