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レーヴァティン

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第百六話 圧勝の後でその六

「勢力として力をつける」
「それではでござるな」
「あの国に兵を進める」
「すぐにでござるな」
「そうだ、兵の疲れが取れたならな」
 大和攻めのそれがというのだ。
「すぐに出陣しよう」
「さすれば」
「あの国はこれといって」
 ここで紅葉が話してきた。
「強い勢力はないです」
「大和の興福寺の様な勢力もだな」
「存在していなくて」
「国人達が割拠していてか」
「それぞればらばらに動いています」
 そうした状況だというのだ。
「ですから」
「攻めるにだな」
「わりかし都合がいいかと」
「そうか、ではな」
「兵達の疲れが取れたなら」
「海岸沿いに攻めていく」
 そうすると言うのだった。
「そして神戸から姫路までだ」
「進みますね」
「そこから赤穂までだ」
 この地までというのだ。
「手に入れていく」
「まずは海沿いですね」
「そしてそれからな」
「山の方ですね」
「あちらの山には山の民は少ないか」
「やっぱおるけどな」
 それでもとだ、耕平が話した。
「こっちの世界やと大和や紀伊程はな」
「いないか」
「おるのは美作の方でな」
 それでというのだ。
「播磨の方にはな」
「少ないか」
「そうみたいやで」
「ならだ」
 それならとだ、英雄は断を下して述べた。
「山の間にある集落からな」
「手に入れていくんやな」
「そうする」
 耕平にも答えた。
「ここはな」
「そういうことやな」
「摂津との境から赤穂まではいい街と田畑が連なっている」
「その全部を手に入れるな」
「そうする」
 英雄はまた耕平に答えた。
「次はな」
「ほな美禅との境まで一直線にか」
「兵を進めていく、敵がいればな」
「降すかやな」
「倒す、そうして播磨もだ」
 この国も手に入れると言い切ってだった、英雄は実際に兵を動かしてそうして播磨に入っていくことをはじめたが。
 幸正にもだ、彼は言った。
「湖軍もだ」
「動かすな」
「陸からだけでなくな」
「湖からもだな」
「そうだ、瀬戸内からだ」
 まさにそこからだというのだ。
「船を出してだ」
「その船に軍勢を乗せて」
「そうしても攻めていく」
「そうだな、湖もあるのならな」
 幸正にその通りだとだ、英雄に答えた。
「それを使わない手はないからな」
「それでだ、後だ」
「後。どうしたんだ?」
「大坂から四国の間にある淡路だが」
「あの島もか」
「これを機にだ」
 播磨攻め、この機会にというのだ。 
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