迫りくる海草
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第四章
「我々も危惧していまして」
「海底都市や村でもですね」
「左様です。伐採にも硬く難しく」
「切るのに時間がかかり」
「その間にさらに生えてくる始末なので」
「我々もお手上げということです」
海豚も言ってきた。
「食べるにはあまりにも硬いですし」
「それではやはり」
「中にいるモンスターを倒すしかありません」
「左様ですね、では」
「道案内をさせてもらいます」
王子が申し出て来た。こうしてだった。
二人はその海草の中に王子と海豚の案内を受けて入った、するとその中はまるでテーマパークの迷路の様だった。
実に入り組んでいる、しかも。
大型のヒトデや蟹、鮫、蛸等のモンスターが出て来た。ヴぉネサットとホーソーンはこのモンスター達とだ。
勇敢に戦った、そして勝っていった。海豚と王子はその見事な戦いぶりを見て唸ってこう言ったのだった。
「いや、お見事です」
「お強いですね」
「お二人共水中でも戦闘力が落ちていないですね」
「水中向けの種族ではないですが」
ヴォネガットはハーフオーク、ホーソーンはトロールである。
「しかしです」
「お強いですね」
「私は水中戦に影響がある職業ではないので」
ホーソーンは王子と海胆に自分から話した。
「術で戦うので」
「わいはバイキングや」
ホーソーンも自らの職業の話をした。
「そやしな」
「レベルも高いので」
ヴォネガットはこちらの話もした。
「ですから」
「だからですか」
「そこまで戦えますか」
「そうです、ではモンスターのです」
「元締めというかですね」
「海草を繁殖させている元凶のところに案内させてもらいます」
王子は自ら申し出た、そしてだった。
二人は案内を受けてさらに進むがヴォネガットは眉を顰めさせて言った。
「しかし」
「しかし?」
「しかしといいますと」
「これだけ海草を繁殖させて」
それでとだ、王子と海豚に言うのだった。
「モンスターに何の利益があるのか」
「どうもです」
王子がヴォネサットの疑問に答えた。
「普通の生物なら生きていられないですが」
「そのモンスターは、ですか」
「はい、海草の中こそがです」
「暮らしやすい」
「その様なので」
「こうしてですか」
「海草を繁殖させています」
こうヴォネガットに話した。
「自分の棲みやすい様に」
「海草の中が棲みやすい」
「そうしたモンスターということです」
「これまでお話してくれた様に」
「変わっていますね」
「はい、何者なのか」
首を傾げさせてだ、ヴォネガットは言うのだった。
「気になっていましたが」
「何といいますか」
「我々では表現できない姿で」
海豚だけでなく海胆の王子も言ってきた。
「蛸か海月か」
「はっきり言えません」
「そうですか、ではこの目で見て」
ヴォネガットは彼等の話を聞きつつ述べた。
「どういったモンスターか知りましょう」
「そうするしかないな」
ホーソーンはヴォネガットのその言葉に頷いて述べた。
「ほな行こか」
「そうですね」
「こちらです」
海豚は再び案内役に戻った、そしてだった。
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