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島の教会の白い神父

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第二章

「それを完成させられたらね」
「素晴らしいことだからですね」
「完成を期待しているよ」
「有り難うございます」
「そして君の本来の仕事についても」
 親はここで目の色を変えた、これまでの温かいものから厳しいものに。そのうえで彼に言うのだった。
「そちらも続けているよね」
「この島でも」
 これが十字の親の厳しい目での質問への返答だった。
「そうしています」
「そうだね、僕は君をその仕事をしてもらう為に生み出した」
「世の外道達に裁きを与える」
「生まれたこと、これまで生きてきたことを後悔させるまでの惨たらしい残虐な処刑で以てね」
「それは僕も同じ考えです、外道は出来るだけ苦しめて惨たらしく殺すことが神罰です」
 十字の声の色は変わらない、実に淡々としたものだった。
「ですから」
「この島もだね」
「僕はこの勤めを果たしていきます」
「それが君の仕事だよ、是非これからもね」
「はい、この仕事を続けていきます」
「君は僕が生み出したままだ」
 このマグマク島でもとだ、親は彼の言葉をここまで聞いて微笑んで述べた。とはいっても先程までの温かさはない。
「ではこれからもその心のままね」
「この島においても」
「働いていってね」
「そうさせて頂きます。では」
「また来させてもらうよ」
 親から言ってだった、彼は教会を後にした。そして今日も島では人の道を踏み外した外道が世にも恐ろしい骸となって転がった。外道をそうさせた者は誰も知らないがここでやり取りをしている者達だけは知っていた。


島の教会の白い神父   完


                 2019・5・27 
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