レーヴァティン
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第百五話 大坂からその五
「そしてだ」
「その兵と富が」
「この島の統一の糧になる」
「それもかなりの」
「その糧を得る為にな」
まさにとだ、英雄は香織に話した。
「まずは大坂からだ」
「周りの国々をたいな」
「手に入れていく」
「ならでござる」
智も英雄に言ってきた、礼儀正しい物腰で刺身を食べつつ。
「幸い摂津、河内、和泉は既にでござる」
「かなり領有しているしな」
「この三国を完全に掌握して」
「それからだ」
「大和、そして播磨となり」
「大きな力を手に入れてな」
そうしてというのだ。
「伊勢や紀伊、そしてな」
「都のある山城も」
「手に入れていく」
「では」
「もう用意は整っている」
他の国に兵を進めるそれはというのだ。
「ではな」
「早速でござるな」
「まずは周りだ」
摂津、河内、和泉の三国だというのだ。
「手に入れていくぞ」
「それでは」
「もう一万の兵がいる」
英雄達は今の時点でそれだけの兵を擁している、それでその一万の兵を使ってそのうえでというのだ。
「あくまで戦う勢力はな」
「その兵で、でござるな」
「倒していってだ」
そしてというのだ。
「降る勢力はな」
「迎え入れるでござるな」
「そうしていく、ではいいな」
「承知したでござる」
「まずは三国の全ての勢力に使者を送る」
これが英雄の実際の三国を手に入れる最初の手だった。
「いいな」
「そしてでござるな」
「降る勢力は受け入れてだ」
「降らない勢力に兵を送り」
「降していく、いいな」
「それでは」
智も頷いた、こうしてだった。
英雄は早速三国で自分達にまだ降っていない諸勢力に使者を送った、そうしてそのうえで多くの勢力を引き込んだ。最初に使者を送って降らない勢力はほぼなかった。一万の兵に個人個人が絶大な力を持っている彼等とその穏やかな政を見てのことだ。
そして最初で降らなかった勢力もだ、周りが降ったのを観て二度目の使者事実上の最後通告で降った。英雄達は程なく三国を完全に掌握した。
だが三国を手に入れて早速だった、英雄は仲間達に言った。
「では大和だ」
「あの国ね」
紅葉が英雄に応えた。
「次は」
「そうだ、あの国は豊かだ」
「だからこそなのね」
「必ず次に手に入れたい」
こう思うが故にというのだ。
「だからだ」
「これからね」
「大和に兵を進めてだ」
そしてというのだ。
「これまで通り使者も送ってな」
「国人や寺社を降していくのね」
「そうしていくが」
ここでだ、英雄は強い顔で言った。
「大和は一つ厄介な勢力があるな」
「大和は数多くの小さい国人がいるわ」
それが大和の現状だ、紅葉はその話もした。
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