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ロックマンX~Vermilion Warrior~

作者:setuna
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第138話:Loud Noise

レッドアラートの争乱から数週間後、ようやく地上は落ち着きを取り戻し、アクセルはバレットを弄りながら溜め息を吐いていた。

「あーあ、何で試験なんかあるのさー」

「試験受けないとアクセルのハンターランクも決められないだろ?」

ぼやくアクセルに苦笑しつつ、エックスが言う。

「そうだけどさ…あれだけ頑張ったんだから試験免除してくれたっていいじゃん!!」

「文句を言うなアクセル。今更試験のことをどうこう言ったとしてもどうにもならん。」

「大体、コロニー騒動で大活躍した俺にさえ試験やらせたんだぜ?こればっかりはしょうがねえよマジで」

「だよね…はあ…」

ルナの言葉に頷きながらアクセルは深い溜め息を吐いたのであった。

「でも今日は悪いことばかりじゃねえだろ?形だけとは言え、エックス達がアクセルのハンター試験終了後に結婚式をハンターベースでするんだからよ…ご馳走とか出るぜ?」

「あー、うん。そうだね…ご馳走…お昼抜こうかな…?」

ハンターベースの食事は美味しい。

レッドアラートも中々のものではあったが、やはり政府公認の組織であるためかこういうのもしっかりとしている。

「ちゃんと食ってこい。試験中に保たんぞ…ところでエックス…ルインとエイリアもそうだが、本当に俺とアイリスの時と同じで良いのか?確かに会場は難しいが、それでも…」

会場がハンターベース内なのは仕方ないにしてもやはりコロニー事件の時よりはマシな状況なのだから少しくらい贅沢をしても罰は当たらないはずだ。

「うん、ルインとエイリアにも聞いてみたんだけど…無理して派手にしなくてもいいと言われたんだ。2人共、あんまり派手なのは好きじゃないし…」

「ふっ、あいつららしいな」

苦笑する2人。

アクセルとルナはまだ精神的に幼いためにあまり結婚式とかは分からないのか首を傾げるしかない。

「結婚式って結婚して夫婦になるための儀式…だろ?そこまで考える必要あんのか?」

「別に相手が気にしてないなら良いんじゃないの?」

アクセルとルナの幼い考え方にエックスとゼロは苦笑を浮かべた。

この2人は幼さ故かまだこういう感情が理解出来ないらしい。

「そうかもしれないけど、彼女達のこれからの人生にも関わることだから…こういうのはちゃんとしたことにしたいんだよ。出来るだけな」

「まあ、お前達はまだまだガキだからな。こういうのはまだまだ理解出来んか」

「おい!!」

「何それ!?」

ガキ呼ばわりされたアクセルとルナはゼロに噛みつくが、ゼロはどこ吹く風だ。

それをエックスは苦笑して見つめることしか出来ない。

そしてアクセルのハンター試験は行われ、ハンターランクはギリギリで特A級をもぎ取った。

やはりと言うかアクセルは実力は充分なのだが、幼さ故に視野が狭く、被害を最小限にしなければならないところ少々拡大させてしまうところがあるからだ。

ここは時間をかけて変えていくしかないとエックス達は判断し、そして試験後のエックス達の結婚式だ。

結婚式と言ってもゼロとアイリス同様にドレスも何もない簡素な物ではあるが。

しかし、それでも指輪をはめてエックスと向かい合う2人は何時もとは何処かが雰囲気が違っていた。

そして順当に結婚式は終わってそれぞれが食事を開始した。

「ルインとエイリアって……あんなに綺麗だったかな?」

「ふえ?」

テーブルに並べられている料理を頬張っていたアクセルは昼食を抑えていたのもあって結構な勢いで食べていたが、ルナの言葉に振り返る。

「ああ、いやさ…アイリスの時もそうだったけど…結婚式の時のあいつらってさ…何となく何時もとは雰囲気が違う気がするんだよ…何と言うか…綺麗と言うか」

「ああ、何か分かる気がする。僕は結婚式を見るの初めてだから良く分からないけど…何か普段よりずっと綺麗に見えた。」

ルインもエイリアも女性型としては美人の部類に入るが、この時は普段の時よりも美しく見えた。

「くう~、ルイン副隊長とエイリアさんがとうとうエックス隊長の物になっちまったのか…」

「羨ましいぜエックス隊長。あんな美人2人が嫁さんなんて…!!」

「泣くな友よ!エックス隊長に関してはあんなに頑張ったんだからご褒美と言うことで諦めようぜ!!」

「しかし…だが、しかし!エックス隊長が羨ましいいいぃぃぃいい!!」

「何あれ?」

「気持ち悪いな…」

祝福しつつも嫉妬して叫んでいる男性ハンター達に引くアクセルとルナに歩み寄る者がいた。

「アクセル、ルナ。あの喚いている愚か者共は気にしなくても結構よ」

それはアクセルとルナよりも前…と言うかB級ではあるが、最古参のハンターであり、近いうちA級に昇級するのではないかと言われている先輩の女性ハンターである。

「何だ何だあ?自分がA級に昇級するかもしれないって言われてるからって天狗になってんのかあ?」

「別にそんなんじゃない…て言うかあんた…」

「「酒臭っ!?」」

アルコールの臭いにアクセル達が顔を顰めた。

「いいかあ、後輩共よ。結婚するってのはな。今までとは違う関係になるわけだ。恋人と夫婦ってのは根本的に違う。何せ赤の他人が人生を添い遂げるパートナーになるわけだからな」

「「へえ~」」

何度も頷きながら酔っぱらいハンターの話を聞き入るアクセルとルナ。

「あんた…何時もふざけている癖にこういうちゃんとした説明も出来るのね。見直したわ」

本当に見直したのか、目を見開きながら感心したように言う女性ハンター。

「こればかりは結婚しなけりゃあ分かんねえな。まあ、後輩共。お前らならすぐだ。さっさと成長して大人になって結婚しちまえ。そしてそのまま夜にイチャイチャすればエックス隊長達のことが良ーく…げぼおっ!!?」

女性ハンターの鉄拳が酔っぱらいハンターの顔面に炸裂した。

「け、結婚!?」

「お、俺達があっ!!?」

赤面する2人に女性ハンターはこめかみに青筋を浮かべながら吹っ飛ばした酔っぱらいハンターを見下ろす。

「あんたに少しでも感心した私が馬鹿だったわ…て言うか子供相手にそんなことを言うなんて恥を知りなさい、最低だわ!!」

「ふっ、自分が後輩共よりそういうのに縁がないからって八つ当たりは止め…」

スウウウウウ…

ドドドドドドドドドドドド!!!!

パーン!!!

《天》

⊂⌒~⊃。Д。)⊃

構えを取った後、手足を動かさないまま高速で移動して酔っぱらいハンターとの間合いを詰め、胸倉を掴んだ直後、一瞬のフラッシュと無数の打撃音が起こってそれが終わった後…酔っぱらいハンターは倒れていた。

因みに女性ハンターは“天”の一文字を背景にして立っていた。

「…………え?ええええええ!!!?な、何!?何なの今の攻撃!?一瞬光ったかと思えばあの人がボコボコに…」

「たった一瞬であそこまで殴るとは…何でこの人、B級ハンターなんだよ……?」

「止めろ深く考えるな…あれを気にしていると本当にキリがないからな…」

「ははは…」

色々ツッコむのを止めたエックス達は苦笑と呆れしか出なかった。

因みに酔っぱらいハンターは問題発言をしたために減給が確定したのであった。

「結婚か」

「先輩達、綺麗だったなあ。私にも早く良い人との出会いがあれば…」

「パレットも結婚したいとか思うの?」

「勿論、私も女の子だし。結婚は女の子の夢だし」

「ふーん」

ジュースを飲みながらルナは適当に相槌を打つ。

「何?その他人事みたいな感じ?まあ、ルナにはアクセルがいるから結婚は困らないもんね」

「「ぶーっ!!」」

パレットの発言に飲んでいたジュースを吹き出すアクセルとルナである。

「な…な…っ!?」

「きゃはははは!!ルナってば顔真っ赤!!アクセルも顔赤いし、お互い脈あるんじゃないの?」

「こ、こ、こ…この野郎ーーーーっ!!」

「きゃああああ♪」

赤面しながら追い掛けるルナと笑いながら逃げるパレット。

残されたアクセルは顔に集中した熱を冷ますために黙々とジュースを飲んだのであった。 
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