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子犬を探して

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第一章

               子犬を探して
 陳木倒と金九仁は今は陳の神託によって中国黒竜江省斉斉哈爾に来ていた、陳は北安に来るとすぐに金を飯店に案内してだった。
 ラクという羊肉とをクミンと唐辛子で味付けした料理に韮菜盒子という大きな韮と卵を入れた焼きパンに水餃子、そして塩味の麺に家鴨を丸焼きにしたものを老酒と共に楽しんだ。
 その中でだ、陳は金に言った。
「ほなまずは」
「ギルドにやな」
 金は酒を飲みつつ陳に応えた。
「行くな」
「ああ、この斉斉哈爾のな」
「それが一番やな」
 金は今度は麺をすすってから陳にまた応えた。
「ここはな」
「そやな」
「ああ、何というてもな」
「神託を探すにはな」
「ギルドやな」
「そこに行ってな」
 そうしてというのだ。
「探すのが一番やしな」
「その通りやな、ほなな」
「飲んで食べた後でか」
「そや、餃子も食って」
 陳は水餃子を食った、厚い生地の中に具があるがそこまでよく茹でられていて実に美味い。タレともよく合っている。
「そしてな」
「行こうか」
「斉斉哈爾のギルドにな」
 こう言ってだった、実際に陳は飯店で飲んで食べてからだった。
 金と共に斉斉哈爾のギルドに赴いた、するとそこに奇妙な依頼があった。金はその依頼を見て毛人の顔を思いきり顰めさせて言った。
「子犬を探して欲しい、か」
「ああ、それも斉斉哈爾のすぐ傍にある地下迷宮に入ったか」
「その地下迷宮ってどんなとこや」
 金はまずこのことを尋ねた。
「一体」
「ああ、地下水脈もあるな」
 陳は金にその地下迷宮の話もした。
「それで魚や蝙蝠や毒蜘蛛やでかい虫が出て来る」
「そうした迷宮か」
「そや、そこに子犬が入ったんか」
「子犬やったらモンスターとか獣に食われてるんちゃうか」
 金は首を傾げさせて自分の推察を述べた。
「それやったら」
「そこまではわからんけどな」
「それでも依頼は出ててか」
「それでこの依頼主は」
 陳はそちらも見て言った。
「袁家のご令嬢か」
「袁ってどんな家や」
「この斉斉哈爾を中心に黒竜江省全体で手広く商売してるな」
「大金持ちか」
「そや、色々やってな」
「それでか」
「特にペットの販売で儲けてる、ホワイト企業としても有名な」
 陳は金にこうも話した。
「ええ家や」
「只の金持ちやないか」
「そこのご令嬢の袁桜桃さんからの依頼か」
「金持ちのお嬢さんやな」
「そや、何かこの依頼気になるからな」
「それでか」
「ああ、今からな」
 実際にとだ、陳は金に話した。
「この依頼受けて詳しい話をな」
「袁家のご令嬢にやな」
「聞こうな」
「そうしよか」
 こう話してだった、二人は依頼を受けることにして以来の詳しい話を聞く為に斉斉哈爾の中でも最も大きい袁家の屋敷、中国清代の建築様式であり紅楼夢に出て来そうなその屋敷を依頼を受けた冒険者という身分で受けた。 
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