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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。

作者:エギナ
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第一部
  第48話 脱出への希望

 
前書き
ほぼ会話=おふざけ。
 

 
琴葉「如何しましょうかね」
グレ「上は戦ってるよ〜。仁が戦ってる気配するし。でも三十パーセント本気で相手さんとの実力が互角っぽいから、オレが手伝う必要はないかなぁ」
琴葉「って言ってサボるんですか」
グレ「サボんないよ?」
琴葉「なら私の事、手伝ってくれません? 大変なんですけど」
グレ「無理」
琴葉「手伝って下さい」
グレ「無理」
琴葉「手伝って下さい」
グレ「無理」
琴葉「手伝って下さい」
グレ「無理」
琴葉「手伝わないで」
グレ「無理。あ」
琴葉「ふふ。引っ掛かりましたね」
グレ「ダァァアアアッシャァァァァァアアアアアアア‼︎‼︎」
要「(嬉しいの? 悲しいの?)」

通路を瓦礫で閉ざされ、地上へ出る事が不可能な状況に陥ってしまった七人は、二つのグループに分かれて過ごしていた!

一つはどうにかして地上へ出る為に、壁をくり抜いて、上へ上がる道を作るグループ。
もう一つはグダグダ喋るだけのグループ。

因みに、前者のグループで活動しているのは琴葉だけである。あれ、グループってなんだっけ。

「此処の上は牢屋だった筈……響。肩車か抱っこ」
「「「「「ダァァアアアッシャァァァァァアアアアアアア‼︎‼︎」」」」」

レン「っざけっんなッッッ! こんな変態メイドに任せて堪るかぁぁああ‼︎」
シン「僕の方がメイドより身長は高いだろう‼︎ 土台にされるのは癪だが僕にしろ‼︎」
ハク「琴葉ちゃん、絶対間違ってるってぇぇええ‼︎ 絶対このメイド変態‼︎‼︎」
グレ「そーだそーだぁあ‼︎ 変態メイド! いっつも琴葉ちゃんの着替えみて興奮してんだろぉお‼︎」
要「琴葉に色目使ってんのはおまえだぁぁあああああああ‼︎‼︎」

琴葉「響。はやく」
「「「「「ダァァアアアッシャァァァァァアアアアアアア‼︎‼︎」」」」」

流行ってんの? マイブーム?? 鼓膜ブレイカーなの君たち???
これはNoside。だからナレーターに近いんだよ?
なんで普通に喋ってんの⁉︎ 前回見てみ⁉︎⁉︎ 数行下見てみ⁉︎⁉︎⁉︎

大・違・い。

響「……ほれ」
琴葉「ありが……ひゃっ⁉︎」

響が琴葉を肩車する為に屈んで、琴葉が肩に乗る。
そして立とうとした時、琴葉は頰を赤らめ、上擦った声を出した。

響「ん? 如何したんですか? 琴葉サマ」
琴葉「なんか当たってる……! なにこれ」
響「何処に、どんなモノが当たってるんですかぁ?」
琴葉「え? あ……そのぉ……えぇっと……かたい、ものが……うぅ……」
響「固いものが?」
琴葉「ななななんでもない‼︎ 早く作業するから、持ち上げて!」

今は少し壁を抉った所に響と琴葉は居る為、他の五人からは見えない位置に居る。
だが、他の五人は明らかに動揺していた。

奴等は何をしているんだ……‼︎‼︎ と。

響「よっ……」
琴葉「ひゃうっ⁉︎ ねぇだめっ! 首になにか付けてるんだったら外して!」
響「だから、さっきから如何したんだぁ? 若しかして、感じてんのか?」
琴葉「違っ……!」
響「だったら問題ねぇだろ」
琴葉「んんっ〜〜‼︎」


奴等は何をしているんだ‼︎‼︎‼︎‼︎ と。


———一分後。


琴葉「……っはぁ……はぁ……」
響「終わったぜ。上手く上に行けるみてぇだ」
「「「「「お前ら何してたの⁉︎」」」」」


◇ ◆ ◇


グレ「教えて! 変態メイド、響さぁん‼︎」
響「死ね」
グレ「辛辣ェ。ま取り敢えずぅ、聞きたい事がある人が居るそうでーす」

シン「何故飛行魔法を使わない」
響「此の地下牢獄は、囚われてる奴等が魔法を使わない様に、魔力が殆ど無い状態なんだ。其処で魔法を使おうったって、使える訳ねぇだろ。阿保か」

ハク「じゃあなんで誰か魔法っぽいの使ってたのー?」
響「あの障壁か。ありゃ琴葉のだ。“権限”があんだよ。“魔力を使わずとも魔法を使う権限”。囚人だったら誰でも知ってんだろ?」
ハク「もっちろん‼︎ 見た事ないけど! ってか禁忌だし‼︎」

レン「グレースが地上の様子が分かるのも、その“権限”に関係あるのか?」
響「嗚呼、そうだ。マフィアの構成員の少しには権限が与えられてんかんな。因みに、俺は身体強化の権限、仁は武器生成の権限、白雪幹部は“蒼炎”遣いの権限、グレースは精神操作、んで琴葉が“絶刃”遣いの権限。ショボく聞こえんのもあるが、全部チート級な」

要「絶刃って何?」
響「琴葉の愛刀だ。“万物を斬る刀”っつー事で絶刃。空間も斬れるぜ。魔法っぽく見えたのも、刀の能力の一つな。ありゃイメージだから琴葉も打っ倒れたりしねぇが、普通に刀使ったら、あの琴葉でさえ打っ倒れる。刀が持つ莫大な魔力が全部流れ込んで、体内で魔力が暴走するのが原因な。因みに、絶刃遣いの権限がなけりゃ死ぬ。権限があっても、寿命は縮まるがな」


琴葉「よし……これでまた上に行けますよ。次の階が地下三階です。二階くらいまで行けば、如何にか天井を突き破る事も可能なんで、早く行きま」
「「「「琴葉ぁぁぁあああああああ‼︎‼︎」」」」
琴葉「はいっ! 如何しました⁉︎」
「「「「うわぁぁぁあああああああああああああああ‼︎‼︎‼︎‼︎」」」」
琴葉「『うわぁ』じゃ分からないのですが……」
「「「「琴葉ぁぁあああああああうわぁぁぁああああああああ‼︎‼︎」」」」
琴葉「それでも分かりませんよ……? というか耳元で叫ばないで下さい! 鼓膜がぁ‼︎ やめ、やめろぉおおお‼︎」



『———システム起動。三十秒後、地下牢獄ハ崩壊シマス。繰リ返シマス。地下牢獄ハ崩壊シマス。構成員ハ直チニ地下牢獄ヲ出テ下サイ』


 
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