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レーヴァティン

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第百二話 王国への包囲網その十一

「攻めてくるかもな」
「河越でござるな」
 進太は久志のその話から地名を出した。
「あの夜戦の時みたいにでござるな」
「ああ、そうして攻めて来るかもな」
「それが気掛かりでござるな」
「だから外もな」 
 そちらもというのだ。
「警戒してな」
「そうしてでござるか」
「備えておくか」
「じゃあ王都の方は柵と堀を用意してるし」
 清音がここで話した。
「鉄砲とパイクでもね」
「退けてな」
「外はね」
「そっちにも今からでも遅くないな」 
 久志はその外の方を見つつ話した。
「柵と堀を用意してな」
「守っておくか」
「ああ、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「そっちは騎馬隊も用意しておくか」
「拙者の出番でござるか」
「ああ、外を今からじっくり見回してな」
 騎兵を斥候に出してというのだ。
「敵を発見してな、それでな」
「その動きもでござるな」
「見てな」
 そのうえでというのだ。
「敵が来たらな」
「その時はでござるな」
「迎撃するぜ」
「騎兵隊も使ってでござるな」
「そうしていくな」
「承知したでござる」
「じゃあな」
 ここまで話してだ、久志は述べた。
「柵と堀用意しておくか」
「備えあればだからね」
「ああ、柵と堀だけでもな」
 この二つを置くだけでもというのだ。
「全く違うしな」
「それじゃあね」
「用意しておくな」
 こうしてだった、久志は全軍に陣地の外側にも柵と堀を築かせた。そうして敵の大規模な夜襲に備えるのだった。


第百二話   完


                 2019・2・15 
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