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おぢばにおかえり

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第五十一話 お餅つきその十二

「全く。そこで言うなんて」
「いやあ、何かですね」
「何かって?」
「僕に言われてる気がしまして」
「だから妹達に言ったの」
 真正面に座っている阿波野君にまた言いました、もう御飯は入れています。このことは妹達も同じです。
「このことは」
「そうなんですか」
「そうよ、まったくいつもそう言ってくるんだから」
「つまり息はぴったりってことだね」
 阿波野君と一緒にいた石本さんがまた言ってきました。
「いいことだね」
「ぴったりですか?」
「うん、俺から見てもね」
 私と阿波野君を交互に観つつ言ってきました。
「二人はよく合ってるよ」
「それはいいですね」
 私がそうですか?と言う前に阿波野君が言いました。
「一手一つにして」
「そう、そうしてね」
「合わせてですね」
「やっていってね」
「そうさせてもらいます」
「そうそう、頑張るんだよ」
「何か阿波野君だけが勝手に言ってますけれど」
 私はここで何とか言えました、ここでおかずの塩ジャケをちらりと見ました。
「そういうことないですから」
「ないんだ」
「はい、ないです」
 こう石本さんに言いました。
「そうしたことは」
「そう言うけれどどう?」
「どうって言われましても」
「千里ちゃんとしてはなんだ」
「はい」
 返事は一つしかありませんでした。 
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