レーヴァティン
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第百二話 王国への包囲網その六
「こっちも手があるからな」
「大砲だね」
「術もあるしな」
こちらもというのだ。
「この国の城壁もな」
「中世の城壁だからね」
「大砲には弱い、こっちはその大砲が多いんだ」
大金を出して製造し購入していった、久志達はローマの富を軍備に注ぎ込んだがその中でも大砲はとりわけだったのだ。
「それで攻めてやるさ」
「これまで通りね」
「そしてな」
「王都以外の街を攻め落としていって」
「それからだよ」
「王都だね」
「ああ、まあ城壁壊したらな」
大砲の砲撃でだ。
「大抵の街はそれで降伏するしな」
「守りがなくなったらね」
「もう戦っても先が見えてるしな」
「それじゃあ降伏するよ」
例え戦いを選んでもだ、戦いを選ぶのは勝機を見ているからであるがその勝機の根拠が破壊されてはだ。
「どうしようもなくなるから」
「これまでもそうだったしな」
「この国でもね」
「そうしていくか」
「それじゃあね」
「あとな」
ここで久志はこうも言った。
「俺達の補給路だけれどな」
「あっ、後方から何かされない様に」
「ちゃんと守っておかないとな」
「こうした時こそだしね」
「ああ、補給路を脅かされるとな」
「こっちは危ういからね」
「飯も弾薬もないとかな」
そうした事態にと陥ればというのだ。
「もうそれだけでな」
「アウトだよ」
「そうだよ、だからな」
それ故にというのだ。
「今回の戦いもな」
「ちゃんとだね」
「補給路は守っていこうな」
「そうしていこうね」
「まして敵国に一直線に入っているんだ」
王都までだ、そうしてきているからだというのだ。
「だったらな」
「余計にだね」
「注意しないとな」
それこそというのだ。
「王弟が軍事的に優秀ならな」
「こうした時こそね」
「補給路を脅かしてくるぜ」
「正面から堂々と挑むだけが戦じゃないよ」
「そうしたやり方も戦だよ」
補給路を脅かすこともというのだ。
「だからな」
「王都を囲んで他の街を攻める時も」
「そこはしっかりとしてな」
「やっていくということで」
「進んでいこうな」
こう言ってだった、久志は八万の軍勢を王都まで進めつつも補給路の確保は怠らなかった。そうして王都を囲んだが。
ここでだ、彼は仲間達に言った。
「ここは俺が四万の兵で囲んでおくからな」
「残る四万で、ですね」
「ああ、皆がな」
紅葉に対して答えた。
「王国の他の街を攻めていってくれるか」
「南や東から攻め込んでいる軍勢と協同して」
「そのうえでな」
「そして街を、ですね」
紅葉はさらに言った。
「大砲を使って」
「そうだよ、今回もな」
「わかりました、では」
「ああ、それぞれ頼むな。それとな」
久志はさらに話した。
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