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レーヴァティン

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第百一話 島への侵攻その九

「ここは仕掛けるか」
「その諸都市に降る様に言っていくな」
「しかもな、諸都市の防衛もな」
「王国が何をしてきてもだな」
「責任を以て行うってな」
「保証するな」
「ああ、じゃあ早速そう動くか」
「焦った敵は仕掛けやすい」
 この言葉は夕子が出した。
「何かわかってきたね」
「ああ、じゃあな」
「仕掛けていくね」
「焦ったら周りも自分自身も見えなくなるんだよ」
 そこが狙い目だとだ、久志は述べた。
「そんな相手にはな」
「どんどんね」
「仕掛けてな」
 そうしてというのだ。
「追い詰めていくべきだな」
「そして万全の状況を整えてね」
「最後の一手だな」
「降らせるにしても攻めるにしても」 
 そのどちらでもというのだ。
「確かな状況にしてな」
「それからになるね」
「そうだな、じゃあ諸都市に使者をさらに送るか」
 これまでも南部の諸都市を幾つか降らせてはきていた、しかしそれは中央部と接している都市ばかりで南部の主な都市国家はまだだったのだ。だが王国がそうした諸都市への騰勢を強めようとして反感を受けているならというのだ。
「そして降らせていってな」
「兵もだね」
「どんどん進めていくな」
「いいことだよ、じゃあね」
「今度はそうしていくな」 
 諸島の掌握の後はというのだ、こう言って実際にだった。
 久志は半島南部の諸都市に降る様に勧める使者を送った、その際税率や市民への待遇と政策それに街の要人達の地位の保証にだった。
 防衛の話までした、するとだった。
 半島南部の都市の多くがローマに降りそれは中央部から近い諸都市だけでなく王国近辺にも及びさらにだった。
 シチリアからの上陸先の諸都市にも及んだ、それで久志は言うのだった。
「もうこのままな」
「王国を攻められるよ」
 剛はこう久志に話した、一同は今はローマの護民官の官邸の会議室に集まっている、そこで卓の上に地図を開いて話をしているのだ。
「もうね」
「そうだよね」
「それも中央からもシチリアからもね」
「二方向からな」
「攻められる位だよ」
「じゃあな」
 それならとだ、久志は剛に応えて言った。
「諸都市の防衛も兼ねてな」
「兵を進めていくね」
「王国を囲む様にしてな」
「兵を配置して」
「そしてな」
「準備が整ったら」
「攻めるな」
 南部の王国、この国をというのだ。
「そうするな」
「それがいいね」
「ああ、何か島々を掌握したらな」
 それがとも言うのだった。
「そこからは一気に進んだな」
「それで王国が焦ったからね」
「焦って諸都市への統制強めようとしてな」
「その諸都市にそっぽを向かれたからね」
 統制を強めたかった彼等に逆にというのだ。
「そして僕達がそうした諸都市を組み込んだからね」
「敵の失策がな」
「ことを一気に進めたな」
「そういうことだな」
「そう、それでね」
 剛は久志にさらに話した。 
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