孤立主義の真意
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第三章
「ここをだ」
「何とかですね」
「やがて手に入れますね」
「そうしますね」
「その前にカリブ海を掌握したいが」
フロリダの南のこの海もというのだ。
「それと共にだ」
「この島々も手に入れる」
「そうしますね」
「やがては」
「太平洋の真ん中をだ」
まさにそこをというのだ。
「抑える、そしてだ」
「そこからですね」
「フィリピンに進みますね」
「あの島々はまだスペインの植民地ですが」
「やがてが」
「そのうちスペインから独立するか」
モンローはやや希望を込めて述べた。
「そうなればいいな」
「左様ですね」
「そうすれば我が国はフィリピンと同盟を結び」
「海軍の港等を置けます」
「そうしてです」
「そこから先に進めます」
「アジアにも」
「そうだ。この国もだ」
日本と言われる鎖国している国、そこを指差しての言葉だ。
「こちらに組み込む、そして何としてもだ」
「清ですね」
「あの国と交易をしましょう」
「そしえ大いに儲けてです」
「アメリカ大陸だけでなくアジアでも太平洋でも盟主となり」
「世界の覇者となりましょう」
「まだ独立したばかりだ」
モンローは強い声で述べた。
「我が国はな」
「はい、建国してまだ幾分も経っていません」
「まだまだ子供と言っていいです」
「そんな国です」
「まだ暗中模索といった状況です」
「そうだ、だが既に考えは決まっている」
まさにというのだ。
「どうしていくかな」
「西に進み」
「領土を拡大して」
「そして国を富まし」
「アメリカ大陸の盟主となり」
「太平洋にも進出し」
モンローの周りの者達が言っていく。
「カリブ海も抑え」
「中央の島々やフィリピンも手に入れ」
「日本にも勢力を及ぼし」
「清と交易を行い」
「そしてさらに豊かになり」
「アジア、太平洋の盟主となりましょう」
「我々は二度のイギリスとの戦いに勝った」
この記憶はまだ新しい。
「しかしだ」
「若しこれから欧州の他の国と戦いになれば」
「その時はイギリスに対するのと同じですね」
「スペインには釘を刺しましたが」
「それだけでなく」
「それがオランダであっても同じですね」
「フランスもとなるかも知れませんが」
周りの者達も言っていく。
「それでもですね」
「どの国も退ける」
「そうしますね」
「戦い勝つ」
「そうしていきますね」
「我がアメリカ合衆国の国家戦略の為に」
モンローの言葉はまた強いものになった、そのうえでの言葉である。
「どの様な敵も前にいるのならな」
「倒し退け」
「アメリカ大陸と太平洋は我等のものに」
「それが私の考え、そしてアメリカの戦略だ」
モンローは地図を観ながら言った、周りの者達もその地図を観ている。彼等はモンローが欧州に言った言葉の意味をよくわかっていた、しかしそれを当時の欧州で知る者はいなかった。誕生したばかりのアメリカが何を考えているかということを。
孤立主義の真意 完
2019・1・15
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