魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第百九十五話
四月五日、夕刻。
俺はギロチンカッターを小銃型CADのスコープに納めていた。
彼我の距離、五キロ。
月明かりがあれど、夜だ。
ギロチンカッター、つまり人間には、この距離で相手を見ることはできない。
それこそ千里眼系の能力を持っていない限りは。
「そいつぁルール違反ですぜ旦那ってなぁ………」
暦さんが来る前にギロチンカッターが羽川翼を殺そうとすれば、いつでも引き金を引き、ギロチンカッターを消す。
「おうおう来なすった来なすった」
暦さんだ。
音速を超えたスピードで、ギロチンカッターの前に降り立った。
ギロチンカッターが羽川翼を盾のように掲げる。
そうでもしなければ、暦さんに勝てないから。
確かにルール違反だが、ギロチンカッターを責める所はそこだけだ。
人道、倫理、常識。
そんな物は成り立たない。
だって、ギロチンカッターからすれば、自分は人類最後の砦でもあるのだから。
戦える聖職者というのは、光と闇の狭間で闇を押し止める者だ。
羽川翼と暦さんの会話が始まった。
そこに口を挟むギロチンカッター。
さぁ、暦さん。
人間であることを諦める時だ。
より深く闇の中へ、より深淵へ近しく。
暦さんがホールドアップする。
『まいった』
と暦さんが口にした。
あれ? こんな流れだっけ?
と思った次の瞬間。
ギロチンカッターが一歩踏み出した。
ざしゅ! という音が聞こえた気がした。
ギロチンカッターの腕が断たれた。
何に?
影に。
月明かりでできた暦さんの影が形を変え、ギロチンカッターの腕が斬られたのだ。
ギロチンカッターは腕と羽川翼を置き去りにして、暦さんへ向かっていた。
ギロチンカッターが、目を見開く。
その一瞬の間に、暦さんがギロチンカッターを殴り飛ばした。
数メートル吹き飛んで、校舎の壁に蜘蛛状の亀裂とクレーターをつけ、沈黙した。
びたっ…とクレーターから剥がれ落ちるギロチンカッター。
暦さんは足元の腕を、ギロチンカッターの腕を手に取った。
そして、自分の血で、ギロチンカッターの腕を治療した。
『お前は人質を、僕は騙し討ちをつかった。これであいこだ。ギロチンカッター』
目には目を、歯には歯を。
ルール違反には、ルール違反を、か。
「これは…かなり原作と違うなぁ」
見ていると、暦さんが羽川翼をだきしめていた。
え? え? マジで? 展開早くない?
これマジで暦さん羽川翼とくっつくんじゃね?
ニヤニヤしながら観察してると、唐突に抱擁がとかれた。
羽川翼がスカートを抑えている。
ああ、なるほど……ノーパンだったね貴女……。
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