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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百八十九話

鈴の衝撃の告白から一夜。

今日は私立直江津高校の終業式だ。

「やれる事はやった…」

心渡の大まかな大きさを模した刀を十五本ランダムで使わせた…。

気功は教えてからの時間が心許ないが吸血鬼の力があれば誤差だろう。

あとは、そう。

あとは暦さんの記憶のロックを外すだけだ。

ああ、そうだ…どこかのタイミングで暦さんに会うか鍵を渡さないと…。

「いっ君?」

ソファーに沈めた体を起こす。

「なに? 束さん?」

「昨日からずっと考え込んでるけど、どうかしたの? 鈴ちゃんのこと?」

束さんは鈴の事を知っていたらしい。

というか束さんも箒と共犯らしい。

「ああ…今日から少しやることがあるんだ」

「ふーん……」

非武装のゼルフィカールをチューンしてある。

それを今、阿良々木家の屋根にセットしている。

え? 覗き? いや家の中撮してないしセーフセーフ。

「ま、いっ君の好きにすればいいとおもうよ?」











同日夜。

俺は地下のオペレーションルームから町中の監視カメラに不正アクセスし、二人のヴァンパイアハンターと一人のチャラいオッサンの姿を探していた。

エピソードとギロチンカッターと忍野メメの姿を。

キスショットとドラマツルギーの姿を追えない事はわかりきっていたからだ。

まぁ、町中に放ったスティレットとシュトラウスとグライフェンのカメラでドラマツルギーは捕捉しているが……。

それにしてもギロチンカッターとエピソードと忍野メメの隠形は見事な物だ。

これだけの監視をすり抜けるとは……。

続けて探す事10分。

ようやく捉えた。

FAを操作するオリジナルコアのクオリアを介し、二体の吸血鬼と一体のダンピール、一人の人間を見る。

「おお……美しい」

この世の全てをかき集め、篩にかけ、濾過して蒸留し、『美しさ』を濃縮したような。

万象が彼女にひれ伏し崇めるのではないかというほどの。

それほどの美。

美とは何ぞや。

その答えに今なら答えられよう。

美とは彼女の事である、と。

その彼女の一挙一動が必殺の威力を宿している。

命を刈り取る力。

奪う者の強さ。

それもまた、彼女の美の一部。

強者であるがゆえに、その美を示せるのだ。

が、その美しさも今は色褪せているのかもしれない。

ついぞ見つけられなかった忍野メメによって、彼女は心臓を抜かれているのだから。

マジであのオッサンなにしてんだろ…。

そして戦いは佳境に。

三人のヴァンパイアハンターの即興の連携がキスショットを追い詰める。

さすがプロ。

私情だろうが使命だろうが仕事だろうが、目的のためなら協力も厭わず、即興の連携もこなす。

一流のスポーツ選手は、どれ程反の会わない相手ともチームとしてならやっていけるらしい。

それは彼らにも当てはまるのかもしれない。

光と闇を分かつ者達の実力。

人類の裏の護り手。

その人間の刃が、遂に美を汚した。

美が、逃げ出す。

裏路地の影の中にその身を投じた。

ヴァンパイアハンターが、影の前で足を止める。

影は美の居城。

闇は彼女の腹の中も同然。

三人のヴァンパイアハンターは渋々諦めて立ち去った。




所変わって暦さん。

何故か窓から飛び降りていた。

たぶんベッドの下に隠していた靴を履いたのだろう。

屋根からゼルフィカールを発進させ、暦さんを追う。

そう言えば暦さん自身はプライバシーの観点で夕方からしか追ってなかった(それも家の中は除く)が、大きく改変したこのルートで暦さんは羽川翼と吸血鬼の話をしたんだろうか?

いや、まぁ、こうしてエロ本を買いに行っている(はず)から会ったしパンツの下りはあったのだろう。

いやしかし、これ間に合うのかね?

キスショットもう瀕死だったよ?

影の中だからロストしてるけど、あれじゃぁ持ちそうにない。

あの影の周囲にはスティレットを待機させてはいる…。

いざとなれば、それでどうにかしよう。

暦さんがエロ本を選んでいる間、キスショットに動きがあった。

彼女が影から放り出された。

影すらも、維持できなくなったのだ。

それから十分弱ほどして、ようやく暦さんはキスショットと相対した。

路地を覗き込む暦さん。

そして、それを見つめ返すキスショット。

ここで暦さんがキスショットを助けるもよし、見捨てるもよしだ。

だが、まぁ、暦さんなら…。





「僕がお前を助けてやる!」


ってなるよねー。

かーっくいー!

とまぁ、茶化すのはそこら辺にして。

なんとか外見だけは整えたキスショットが暦さんを引き摺りながら歩いている。

とそこへ忍野が登場。

いやお前どっから出てきた。マジで。

まぁそれは置いといて…。

忍野がキスショットを学習塾跡の廃ビルに案内した。

あくまで案内しただけ。

いや暦さんを担いでやれよ。

不親切なオッサンだなぁ、オイ。

三人が廃ビルに着き、忍野が二人を置いてどこかへ行く。

とりあえず今日はもう何にも無いでしょ。

さて…寝ますか。











翌朝。

「すいませーん。忍野ですー。織斑一夏君いるー?」

何で家に来てんだよアンタッッッ!? 
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