魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第百八十七話
前書き
この話を忘れてました。旧187、旧189は明日投稿しなおします。
二月十四日
「ばれんたいんだぞ。チョコをもらえないあわれな男にぷれぜんとだ。
だがざんねんだったな。おれは男だ」
一夏は箒と登校し、先に来ていた弾に綺麗な包みを渡した。
ドヤ顔で、片手を腰にあてながら差し出す。
黒猫と白猫がプリントされたラッピングの箱だ。
「マジかよ……。おまえ…ついにバレンタインに男にチョコ渡しちまうのかよ…」
「いらんならかえせ」
「いります!」
「なかみはとくせー千味チョコだ」
「変なもの入れてないよな?」
「たしかアフターデス味、サドンデス味、ザ・ソース味があったような…」
「おい!?」
「でもくえないものは入れてないよ。ただ味見してねーからチョコとかがくはんのーで劇物化してるかもだけどな」
「………頑張って食うわ」
「そうしろ」
そんな弾を羨ましそうに睨む御手洗。
「みたらい、お前にはこれをやろう」
一夏が御手洗に小さな包みを投げた。
御手洗が受け取ったソレは飴の包みのような物だった。
そして一夏が精一杯媚びたように言った。
「みたらい君のために作ったの……たべてほしいな…❤」
御手洗は心臓を撃ち抜かれ、包みを開けて中身を口に入れた。
そして次の瞬間。
「ごはぁっ!?」
御手洗が口を抑えて踞った。
潰れない最低限の薄さのチョコレートの中身は、カプサイシンの濃縮液だった。
「はっ、ざまぁみさらせ」
一夏がとてとて歩いて、踞った御手洗の頭に片足を乗せた。
「こちあるごとにせくはらしやがって。幸福からたたきおとされたきぶんはどうだ?」
「かひゅー…かひゅー……御褒美です…」
御手洗数馬。
この男、顔もよく勉強もできスポーツも万能という超優良物件なのだが……。
「メスショタのストンプ……さいこう……」
中一にして性癖を拗らせまくった変態である。
この男のアプローチを一夏がすげなくあしらうなど日常茶飯事だ。
「………………………キモ」
「うっ………ふぅ………」
「おいうそだよな!? 今のひといきはなんだ!? 」
一夏が後退り、弾の後ろに隠れた。
「大丈夫。冗談だ」
「あたりまえだバカじゃねぇのお前!?」
「……………取り敢えず口濯いでくる」
口を抑えながら御手洗が教室から出ていった。
箒が席に座り、一夏を膝にのせる。
「一夏、これ御手洗には本当にただの御褒美じゃない?」
机を挟んで立っている鈴が事実確認のように聞いた。
一夏がおもっくそ顔をしかめる。
「いうなよりん!」
「っていうかアンタも楽しそうじゃない」
「たのしくない!」
「はいはい……。取り敢えずこれでも食べて機嫌直しなさいな」
鈴が一夏に小箱を渡した。
「お、サンキュ、りん」
箱を開けた一夏が中身のトリュフチョコをもきゅもきゅする。
「~♪」
小動物じみた仕草だった。
それを見ていた女子生徒が一夏にチョコを渡す。
嬉しそうに受けとる一夏。
が、チョコを渡されるのは一夏だけではなかった。
「お姉さまお姉さま! お姉さまのためにつくりました!」
「あー……何度も言うが私は別に年上ではないのだが…」
箒はモテる。
モテまくる。
特に女子から。
で、昼休みになった。
「お姉さまー!」
「一夏君prprhshs!」
「「よし逃げよう」」
一夏と箒が二人して窓から飛び降りた。
唖然とするクラスメイト+上級生含むその他。
「あー、鈴。お前も逃げた方がいいんじゃないか?」
「アンタもよ、弾」
一夏と箒の影に隠れがちだがこの二人もモテる。
弾と鈴は窓から出て、上へ向かった。
「くそっ…俺も遂に人外の仲間入りかよっ!」
「アンタ割りと前からそんなだったじゃない。気功なんて最後の一押しよ」
「ふぁーっく………」
トントントン、と屋上まで登った二人。
その上で更に梯子のかかった場所に飛び上がる。
「鈴、そういえばあの事まだ一夏にいってないのかよ?」
「今日言うわ」
「あっそ…」
「放課後、スイパラ行くからアンタも来なさい」
「えぇー…今月ピンチ……」
「まだ中旬よ?」
「この間見つけた店でちょっと買いすぎてな…」
「バカじゃないの?」
なお、弾が見つけた店はアダルトショップである。
「箒から言われてるのよ。今日の放課後一夏を連れ出して時間稼ぎしてほしいって」
「なるほど。好都合だな」
暫くすると、一夏と箒もやって来た。
「遅かったわね二人とも」
「死角に入ってから翔んできた。まったく…去年まではこんな事はなかったんだがな…」
「しかも驚くことにあの中には上級生が含まれている」
「お姉さまー、ってやつ?」
箒が上蔵をかきスポッと一夏を乗せる。
一夏の前で腕をくむと、一夏が体を後ろに倒す。
「ん……」
という一夏の一言、否一音で暖気フィールドが展開された。
「一夏、今日の放課後スイパラ行くわよ」
「バレンタインふぇあ?」
「そうよ」
「ん……。わかった」
「悪いが私は行けないぞ」
「俺もだ。お使いあるからな」
鈴が弾に裏切ったな! という目を向けた。
「一夏は?」
「それでいいなら俺はいくよ」
一夏は深く考えず、ただただ甘いものを食べたいだけだった。
「じゃ、決まりね」
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