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レーヴァティン

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第百話 北部統一その十三

「やっぱりね」
「今の日本人の感覚か」
「その感覚、倫理観で言うとね」
「奴隷はよくないってなるよな」
「ええ、けれどね」
「それはそれぞれの場所で違うか」
「奴隷がが是という時代もあって」
 そしてというのだ。
「国、世界があってね」
「それを壊したらいけないってか」
「そうしたこともあるから」
「そこは注意か」
「この島、この世界では奴隷は存在しないけれど」
 このことは事実でもというのだ。
「それでもよ」
「そうした場所で奴隷制度を廃止しようとしたらか」
「大変なことになっていたわよ」
「中世の欧州みたいにか」
「そうよ、十九世紀までのアメリカもそうね」
「ああ、あの国もそうだったな」
「黒人奴隷がいたわね」
「アンクル=トムの小屋だな」
 スノー夫人の名作である、ただし黒人奴隷も非常に高価な財産とされていたのであの様な虐待はそうそうなかったという。
「それで南北戦争でもな」
「そこが問題になって起こったわね」
「そうだったな」
「まあ黒人の問題は奴隷制度だけじゃないけれど」
 人種問題でもあり今も続いている、アメリカの深刻な問題の一つだ。
「大規模な戦争になることもね」
「有り得るか」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「こうしたこともね」
「頭に入れてか」
「政を行って」
「しっかりと治めてな」
「戦もして」
 政と共にというのだ。
「そうして勝って」
「勢力を拡大させていくか」
「そう、まずは半島と周りの島々よ」
 夕子もこう言った、そしてだった。
 半島の北部を統一した久志達は今度は南部にとなった、彼等の動きは止まることはなくすぐに次にとなるのだった。


第百話   完


               2019・2・1 
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