| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九十九話 要塞攻略その六

「出陣しましょう」
「ああ、敵の街や村の幾つかにはうちがお金を回してるから」 
 今度は美奈代が笑って話した。
「そやからな」
「五万の連中のうちでか」
「一万位な」
「こっちに寝返るか」
「ああ、そうなるで」
「それは大きいな」
「そやろ、五万の敵が四万になってな」
 それにとだ、久志は述べた。
「こっちは十一万になる」
「しかも戦場でいきなり寝返るとな」
「余計に大きいやろ」
「流石だな、そんな手配もしてたんだな」
「それがお金の使い方や」
「敵の買収もか」
「そや、お金があれば」
 まさにとだ、美奈代はさらに話した。
「工作も出来る」
「そして戦にも勝ちやすくなるか」
「そやで、そやからこれからもな」
「金は多いに尽きるな」
「内政も出来て戦でも武器や兵隊を集められて」
「工作も出来る」
「まさに人間の身体で言うと血や」
 それになるというのだ。
「そやからな」
「金はやな」
「これからもや」
 まさにというのだ。
「必要やで」
「絶対にな」
「これで一万こっちにつけられたしな」
 これだけの軍勢がというのだ。
「あとお金があれば傭兵も雇えてな」
「軍隊もいつも持てるな」
「うち等が今快進撃してるのは何故か」
 このことについてもだ、美奈代は言うのだった。
「軍隊をいつも訓練してるからやな」
「ちゃんとな」
「歩兵、騎兵、砲兵、魔道部隊もな」
「全部そうしてるからな」
「動きも速いしな」
「戦にも勝てるんや」
 それも圧勝出来るというのだ。
「確かな装備と数やけど」
「そうしたのをいつも持てるのもな」
「お金があってや」
「軍隊自体がそうだな」
「常備軍ね」
 双葉がこの名前を出した。
「つまりは」
「それだよな、常備軍を持つこともな」
「それも確かな質のものを多くね」
「金が必要だな」
「美奈代の言う通りにね」
「本当にな、そう思うと」
「島を統一しようと思えば」
 それこそというのだ。
「私達は内政、貿易もしてお金を手に入れたけれど」
「最初にな」
「これは正解だったのよ」
「その通りだな」
「あの時から話していたけれどね」
「金のことはな」
「本当にお金がないと」
 双葉の口調もしみじみとしたものになっていた、その口調で久志に対してさらに言うのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧