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レーヴァティン

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第九十八話 五都市連合その四

 そしてその北を見つつだ、仲間達に言った。
「さて、俺達は今半島の真ん中とボローニャとその周り、ニースを抑えたな」
「北部は」
 紅葉が久志のその言葉に応えた。
「そうなっていますね」
「ああ、そしてその俺達にな」
「北部の主な五つの都市が同盟を結んで対して」
 そうしてというのだ。
「他の都市も村もです」
「その同盟に入って対しているな」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうなっています」
「そうだな、じゃあな」
「私達はどう対するべきか」
「それだよな、北部全部を一度に相手にする」
「まさかと思いますが」
 久志のその言葉にだ、紅葉は眉を曇らせて問い返した。
「そうされることは」
「まさかな」
「そうしたことはですね」
「考えてないさ」
 久志はすぐに答えた。
「同盟を結んで向かって来る相手にはな」
「各個にですね」
「一つの勢力ならともかくな」
「多くの勢力に分かれているのなら」
「やっぱり一つ一つな」
 つまり各個にというのだ。
「叩いていかないとな」
「だからですね」
「俺もそうしていくさ、それでな」
 久志は腕を組み考える顔になって紅葉に話した。
「問題はどの勢力から先にどう叩くかだな」
「その戦の拠点はボローニャやな」
 双葉は久志の考えを読んで拠点の話をした。
「そうしてやな」
「やっぱりあそこだな」
「そやな、勢力に収めたしな」
「あそこに俺達も一時にしろ移って軍の主力を置いてな」
 そうしてというのだ。
「それからな」
「北部と戦うな」
「そうしていくか」
「まずはそっちに移動やな」
「中央部に幾らか守りの兵を置いてな」
 久志はこの時もこのことを忘れなかった、言うまでもなく南の諸都市への備えだ。
「それで主力は俺達と一緒にボローニャに置くぜ」
「そのうえで戦うな」
「ああ、ただな」 
「ただ?」
 美奈代は今度は久志の考えを読めず聞き返した。
「どないしたんや」
「ローマに俺達のうちの一人を置いてな」
「留守番やな」
「それをしてもらわないとな」
 このことも忘れてはならないというのだ。
「やっぱりな」
「そのことやな」
「ああ、誰を置くか」
「それやな」
「北部との戦は総力戦になるだろ」
 それでとだ、久志はまた言った。
「だったら俺達も出来るだけな」
「行くべきやな」
「ああ、それで湖から攻めるのはな」
「俺っちだな」
 バイキングの芳直が応えた。
「何といっても」
「ジェノヴァの方とヴェネツィアの方をな」
「二正面になるな」
「頼めるか」
「ああ、ヴェネツィアの方にも軍艦回すな」
「そうしてな」
「両方に対するな」
「どっちかを攻めてどっちかには守るな」
「ジェノヴァを攻めるさ」
 芳直は久志に笑って答えた。 
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