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レーヴァティン

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第九十八話 五都市連合その一

                第九十八話  五都市連合
 久志はボローニャ戦の後も勢力を北に向けていっていた、その彼と仲間達の拠点であるローマに一隻の船が来た。その船はというと。
「ニースからの船か」
「そやで」
 美奈代が久志に答えた。
「そこから船が来てあんたに会いたいそうやで」
「何だ?宣戦布告じゃないだろうな」
 久志は美奈代の話に怪訝な顔を向けて言った。
「まさかな」
「どやろな、とにかくな」
「俺に会いたいってか」
「言ってきれるわ」
「じゃあまずはか」
「会うやろ」
「ああ」
 即座にだ、久志は美奈代に答えた。
「そうするな」
「それやったらな」
「今からな」
「会おうな」
「そしてな」
 久志はさらに言った。
「話を聞くか」
「そうしよな」
 こうしてだった、久志はニースからの使者に会うことにした。そしてその使者を謁見の間に招いてだった。
 話を聞いた、その前に使者のボディ―チェックをして部屋にも護衛の者達を置いていた、そのうえでの会見だった。
 使者はすぐにだ、久志に言った。
「我が都市は貴方様の下に入ることを決めました」
「そうしてか」
「はい、その下においてです」
 使者はこう久志に話した。
「繁栄を続けたいのです」
「わかった、じゃあな」
「その様にですね」
「させてもらうな、俺達としてもな」
 久志は使者に確かな声で話した。
「無闇に戦をしたいんじゃないんだよ」
「この半島の統一ですね」
「そしてこの世界を救う」
 その為にというのだ。
「戦っているんだからな」
「そのことを完全に理解しましたので」
「だからか」
「はい、私達も決めました」
「俺達の下に降るってか」
「政治も見まして」
 これもというのだ。
「見事な善政です」
「それも世界を救うことだよ」
「善政で民を豊かにし安全を守ることも」
「このこともな」
 まさにといいうのだ。
「世界を救うことだからな」
「それ故にですか」
「当然だろ、というか悪政敷くより善政敷いた方が気分がいいだろ」
「そう言われる理由は」
「そっちの方が気分がいいだろ、贅沢しないならな」
 国家元首になりというのだ。
「酒池肉林とかな」
「そうしたことは、ですか」
「もう酒に食いものは充分あるしな」
 今の状況で斗だ、久志は使者に笑って話した。
「酒も美味い食いものもな、あと宮殿とかな」
「そうしたものは」
「今の官邸で充分だしな」
 もうハンナも官邸に住んでいる、ただ私邸はそのまま残している。
「だからな」
「それで、ですか」
「ああ、もうな」
 それこそと言うのだった。
「俺達は悪政敷いて税とか搾り取って自分達だけ贅沢するとかな」
「興味はないですか」
「自分達だけいい目見て嬉しいか」
 少し首を傾げさせてだった、久志は使者に問うた。 
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