レーヴァティン
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第九十七話 会戦と攻城戦その六
「難攻不落の自信があってな」
「籠城を選んだわね、そして籠城するからには」
「同盟を結んでいる街からの援軍もあったわね」
「しかしそれもな」
「ボローニャがこうなっては」
「どうなるだろうな」
久志は楽しそうに述べた。
「一体」
「そっちにも影響がいきそうね、それじゃあ」
「ああ、今からな」
「ボローニャに降伏勧告ね」
「使者を送るな」
こうしてだった、二重の城壁が砲撃により瞬く間に無残に破壊されたボローニャにローマからの使者が送られた。
城壁が破壊され意気消沈していたボローニャ側にもう抗戦の意志はなく降伏勧告を受け入れた。こうしてだった。
久志達はボローニャを手に入れた、そうしてボローニャに入城してだった。
久志はボローニャの者達に捕虜を即座に返すことを約束し戦の件で誰も処罰することはせずボローニャの者達の地位もそのままにした。
そうした戦後処理を行ってだった。
久志はローマへの帰路についた、そしてローマに戻ってだった。
勝利を祝って仲間達と乾杯してだった、こう言った。
「大砲の威力をな」
「意識したんだね」
「ああ、かなりな」
こう淳二に答えた。
「そうしたぜ」
「話は聞いてるよ、やっぱりね」
「大砲がな」
「効いたみたいだね」
「ああ、先の野戦だとな」
この会戦のこともだ、久志は話した。
「方陣に鉄砲に術がな」
「強かったんだね」
「パイクだってな」
この槍もというのだ。
「随分役に立ったぜ」
「それで騎兵隊もだね」
「車懸かりで攻めてな」
この戦術で戦い、というのだ。
「それで勝ったしな」
「戦術がしっかりしていたってことだね」
「ああ、訓練された軍隊で戦ってな」
「勝ったね」
「そうなったぜ、お陰でいい初陣だったぜ」
勝てた、それで久志はこう言えたのだ。
「それでボローニャの周りの街もどんどん降っていってるしな」
「いい勝利だったね」
「そうなったぜ、訓練と装備と数だな」
「その三つとね」
「しっかりした戦略と戦術、何よりも金と飯だな」
「そうしたものがあるとね」
淳二は久志に話した。
「勝てるし負けてもね」
「大敗はしないな」
「うん、こうしたことがしっかりしていたら」
「勝てるし負けても大敗はしないでか」
「取り戻せるよ」
「そういうものだよな」
「だからね」
淳二はさらに話した。
「これからもね」
「金と補給にな」
「訓練と装備と数を揃える」
「そうしていってね」
そしてというのだ。
「勝つべきだよ」
「そうだな、このことがよくわかったぜ」
久志は自分に話す久志に笑顔で答えた。
「本当にな」
「うん、お陰でボローニャはあっさり降せたし」
戦になるまでは頑としてという感じだったがだ。
「周りの街や村もどんどん降ってるし」
「北部進出にいい楔を打てたな」
「いい感じでね」
「さて、後はな」
久志はあらためて言った。
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