麗しのヴァンパイア
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第百二十四話
第百二十四話 二升飲むと
小田切君は梅干しを肴に濁酒を二升空けた、その顔は満足しているものだった、だがそれでもだった。
顔は真っ赤でだ、言葉の呂律もだった。
「ちょっとおかしいかな」
「うん、少しね」
「回ってない感じだな」
タロとライゾウは小田切君のその言葉を聞いて答えた。
「ちょっとだけれどな」
「何か回ってない感じだね」
「だからもうね」
「今日は寝た方がいいぜ」
「そうだね、じゃあ後片付けをして」
そしてとだ、小田切君は述べた。
「歯を磨いて寝ようか」
「瓶は台所の端に置いてね」
「明日中洗えばいいさ」
「お皿やお箸は台所に置いて」
「そっちも明日洗いなよ」
二匹で小田切君にアドバイスした。
「梅干しは冷蔵庫にしまってな」
「後は歯を磨いて寝ようね」
「うん、意識はまだしっかりしてるし」
それは確かにあった。
「じゃあ今日はここに泊まるよ」
「そうした方がいいね」
「絶対にな」
「もうそれじゃあ長い間歩けないだろうし」
「途中変な奴に絡まれたら終わりだぜ」
そうしたことも考えられるからだというのだ。
「今日はこっちで寝な」
「そしてまた明日だよ」
「うん、ただ明日起きたら二日酔いかな」
小田切君は笑ってこうも言った。
「これは」
「だったら朝に汗流しな」
「トレーニングとお風呂でね」
「お風呂は絶対だな」
「トレーニングが無理ならお昼にでもね」
「そうだね、トレーニングルームでのトレーニングは」
これはとだ、小田切君は後片付けをはじめつつ述べた。
「出来たらだね」
「お風呂は絶対にね」
「あれが二日酔いには一番だからな」
「うん、熱いお風呂に入って」
湯舟にというのだ。
「その後で冷たいシャワーを浴びてまた湯舟に入る」
「それを繰り返したらね」
「二日酔いなんてあっという間に解消されるからな」
「やるよ、もう今日はすぐに寝るよ」
葉を磨いてとだ、こう言ってだった。
小田切君は後片付けの後で歯を磨いた、そのうえで自分のベッドに入ってそれで寝るのだった。
第百二十四話 完
2019・1・16
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