ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第2章:リムルダール編
18:初志貫徹……そんなの状況による
(リムルダール)
ノリンSIDE
でけぇ鳥の化け物、ヘルコンドルに導かれ沢山のモンスターが俺達の町を襲ってきた。
俺は怖くて隠れてたけど、一番の戦力のリュカが何かを抱えて戻ってきた。
戦闘が終わったのかと顔を出したけど、モンスターは未だ襲撃中だった。
何なのかと思いリュカが駆け込んだ病室に目をやる。
すると直ぐにリュカが出てきて、慌てた様子で戦闘の中に飛び込んでいった。
これで直ぐに敵は居なくなると思ったのに、立ち塞がる敵だけを蹴散らしてゲンローワの爺さんを掴まえ、敵を放置して町へと戻って来ちまいやがった。
戦ってる連中も驚いていたが、一緒に戻る訳にもいかず頑張って敵を追い払っている。
俺が言うべきでは無いのだろうけど、ちゃんと戦わないと拙いだろう……
でも俺がそんな事を言ったら絶対殴るだろうな。
……でも言わないと……死活問題だし。
意を決しリュカがゲンローワの爺さんと入っていった部屋へ。
……あれ、そういえば病室に何の用だ!?
もう患者は誰も居ないはずだけど。
患者がいないはずの病室へ近付くと室内からリュカとゲンローワの爺さんの声が聞こえてきた。
もっとよく聞く為に扉に耳を付けて集中する。
すると……
「な、何という事じゃ……エルまでもが、件の“死人病”にかかってしまうとは!」
な、なんだってぇぇぇ!! それってイルマとかと同じ病気じゃん!
結局直せず、襲ってきたら倒すしか無くなる病気じゃんか!!
「リュ、リュカ様……ゲンローワ様……」
よく見るとリュカとゲンローワの爺さんの傍には顔色が悪くなってるエルさんがベッドに寝かされていた。
そのエルさんが二人に何かを言おうとしている。
「こ、これ以上……この町に……病を広める訳には……まいりません……ど、どうか……私を……私を殺してください……」
な、な、な、何言ってんだエルさん……で、でも……それ以外の方法も無いし……
「やはり人間が病に立ち向かうなんて無謀じゃったのじゃ……リュカよ、エルの頼みを聞き入れてはくれぬか?」
「あ゛? お前、何言ってんだクソジジイ!」
ゲンローワの爺さんがエルさんの望みを叶える様にリュカへ頼み込むと、これまでに無い怒りの声で爺さんの胸ぐらを掴み恫喝する。
リュカの気持ちは解るし当然の反応だけど、爺さんの苦渋の選択も解らないでもない。
如何すれば良いんだ!?
あの病気は治せないじゃんか!?
しばらくの間、病室内ではリュカと爺さんの……と言うよりもリュカの一方的な口撃が続いた。
そうこうしている間に町の外では戦闘が終了したらしく、ミノリ等がボロボロの格好で戻ってきた。だから俺はここまでの経緯を簡単に教えたんだ。
そうしたら何だかデカいプレートを持ったミノリが、鼻息を荒くしてリュカ達が居る病室へと入っていった。
何事かと思い事態を見守っていると……
「リュカさん! 諦めるのはまだ早いです!! さっきの戦闘でモンスターがこれを落としていきました。きっと使えるはずですよ!」
「こ、これは……“緑の旅の扉”じゃん!」
旅の扉ってリュカの必要としている物の場所へワープできる便利アイテムか?
凄ーラッキーじゃん! それがあればエルさんを治す薬の場所へも行けるんじゃ?
「し、しかし……病に抗うのは無意味じゃ。自然の流れを受け入れる事が……」
「何言ってんだ、ふざけんな!」
遂にはリュカが大激怒した。爺さんを強く突き飛ばし、床に転げさせる。
床に転んだ爺さんは沈痛な面持ちのままゆっくりと立ち上がろうとエルさんが横たわるベッドの端に手を添える。
その時、エルさんの手が爺さんの手に触れた。
そのまま爺さんはエルさんの手を握りしめ、身体を震わせ何かをブツブツ呟きだした。
そして徐に立ち上がり、先程とは違う険しい表情でリュカに向き直り、
「やはりダメじゃ! 可愛い孫娘を死なせる訳にはいかん! リュカよ、旅の扉をくぐり、世界樹まで赴いてくれ!」
「……な、何言ってんだ……ふざけんな!?」
ノリンSIDE END
(リムルダール)
リュカSIDE
「やはりダメじゃ! 可愛い孫娘を死なせる訳にはいかん! リュカよ、旅の扉をくぐり、世界樹まで赴いてくれ!」
いい加減ネガティブなジジイにイラついていたら、とんでもない爆弾発言をしおった。
聞き間違いか?
「……な、何言ってんだ……ふざけんな!?」
ふざけるなよ……そんな訳無いじゃん!
だって……あり得ないもの!
「ふざけてはおらん。ワシは決めたのじゃ……もう諦めん!」
「そういうこと言ってんじゃねーよ。エルがお前の孫の訳ねーじゃん! 全然似てねーんだよ!」
やべぇ……他人だと思ってたから、ジジイの前でもエルの乳揉みまくってたけど、親族の目の前でそれって拙いよねぇ?
「何を言うか。エルはワシの孫娘じゃぞ。知らんかったのか?」
「知ってたら親族の目の前で口説いたり乳揉んだりしねーよ! そこまで非常識じゃねー」
これでも常識は弁えてるんだ。
「口説くのは兎も角、乳揉むのは親族の前以外でも拙いだろ?」
「うるせー、アホは黙ってろ!」(ポカリ!)
これまで静かに状況を見ていたアホリンが、余計なところで突っ込んできた。
「痛ぇ! ……け、結局殴られるのかよ」
何だ“結局”って!?
何時も殴ってるみたいじゃないか!
「と、兎も角……リュカよ。ウルスが残してくれた資料によると、この地の何処かに聖なる大樹たる世界樹があるそうなのじゃ。そこへ行けば死人病を治す何らかの方法が見つかるやも知れん。新たに入手した旅の扉を使って行ってみてくれ!」
言われんでも行くわ!
俺はミノリから緑の旅の扉を受け取り、希望の旗付近に設置して飛び込む。
目指すは世界樹。
(緑の旅の扉地方)
……あ、あれ?
聖なる大樹たる世界樹がある地域じゃなかったけ?
見渡す限り荒れ荒野。
しかもそこら中をゾンビが彷徨うキモい土地。
言うほどの大樹も見当たらないし……
何処へ行けば良いのやら?
兎も角辺りを彷徨う事に。
因みに銀の加工が出来る様になった為、ゾンビ用の武器を新調した。
“隼の剣”という凄い剣だ。
軽い刀身なのに切れ味は抜群。
一振りで2体のゾンビの首を落とせる優れもの!
それが何とプライスレス。
とは言えだ……
返り血を浴びたくないので、相手にしないようにする。
そんな感じで岩山を迂回していくと、朽ちた門みたいなものが建っていた。
その門をくぐると……
リュカSIDE END
後書き
短くて申し訳ありません。
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