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ロックマンX~Vermilion Warrior~

作者:setuna
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第84話:LUNA

ルイン行方不明から時間は少し戻り、アイリス達のおかげでゼロのボディの調子が戻った時である。

「世話になったな」

「行くのね、ゼロ」

「ああ、レプリフォースをこのままには出来んからな」

全身の動作を確認したゼロはアイリス達への礼もそこそこに拠点を後にしようとするが、レプリフォースの小型戦闘機が着陸した。

「レプリフォースの小型戦闘機…狙いは俺か?それともアイリス達…か…?」

Zセイバーを抜いてアイリス達を庇うように立つゼロ。

脱走者であるアイリス達を狙うレプリフォースの刺客の可能性が高いと判断したゼロは直ぐに動けるように構える。

「待て待て!!アイリス、俺だよ!!」

エックスにパワーアップパーツを渡した少女型レプリロイドのルナが慌てて叫ぶ。

「あら、ルナ!?」

「…知り合いか?」

「私達が使っている修理用のパーツを用意してくれているジャンク屋の人よ。レプリフォースを抜け出した時に拠点を探していた私達にここを教えてくれたの。確かハンターベースにも来ているはずよ」

「ジャンク屋…聞いたことがあるな。確かホーネックもそこから武器の調達をしていたな」

ホクホク顔でゼロに入手した重火器類を見せてくれたホーネックが説明してくれたが、適当に流していたゼロは所々でしか覚えていない。

「お呼びとあらば誰であろうと応えるのが俺のモットーだからな。ほらアイリス、お望みのパーツだ…依頼通りレプリロイドのパーツは混じってねえよ」

コンテナから大量のジャンクパーツをアイリスに差し出すルナ。

「ありがとう…ごめんなさい、無茶なことを頼んで」

「気にすんな、俺はあんたの考えに感銘を受けたんだ。これくらいは大丈夫さ…それにしてもあんたイレギュラーハンターだろ?しかもあの有名なゼロがそんな状態でここにねえ」

「……どういう意味だ?」

「いや、あんたバスターぶっ壊れてんだろ?正確には動力炉に異常が起きた際に腕をバスターにする機能が使えなくなって今でもそれが続いてるってとこか」

「っ!?」

見ただけでゼロの状態を見破ったルナの眼力にゼロは目を見開く。

そしてゼロの反応を見たルナはキュピーンと目を光らせるとゼロの前に武器を並べて、セイバーの柄を奪う。

「お、おい!何を…」

「まあまあ、落ち着きなよ。悪いようには絶対しないから」

ルナはセイバーの柄のサイズを計り、そして大きめの銃にセイバーの柄を宛がう。

「このセイバーのサイズならこの銃が良いかもな…よおし…うおりゃああああ!!」

工具を取り出し、高速で銃を改造していくルナ。

あまりの改造速度に思わず引いてしまったゼロとアイリス達であった。

「出来たぜ!!改心の出来だ!!」

ルナはゼロにセイバーの柄をカートリッジにした紅と白を基調にした銃を差し出す。

「これは…」

「ルナ様特製の携帯銃型バスターのバスターショットだよ。連射性を重視した物だから威力は低いけどあんたのセイバーの柄をマガジンにすることで強力なチャージショットを放てるようになる。試してみ?トリガーを引いたままでチャージが始まるから」

「………」

本当かどうか疑わしいが試してみるゼロ。

バスターショットの銃口を近くの岩に向けるとトリガーを引いたままにするとチャージが開始された。

そしてエネルギーチャージが終わったのと同時に放つと、それは嘗てのZバスターのチャージショットに匹敵する威力の光弾であった。

「っ!!」

「よっしゃあ!!大成功だぜ!!ただし、チャージショットはセイバーを装着しないと使えないぜ?代用マガジンを作ってやっても良いけど、急ぐんだろ?」

「ああ…」

「なら、俺が乗ってきた戦闘機を使いな。これなら移動には困らないし、レプリフォースの基地も分かるはずだぜ!!」

「確かにな」

ルナの言葉に頷くゼロ。

確かにレプリフォースの小型戦闘機なら移動も今までよりは楽だろう。

ゼロが戦闘機に乗り込もうとした時。

「あ、待てよ!!えっと…あった!!ゼロ、これも持っていきな!!」

ルナが投げて寄越したのは、2つの強化パーツのチップとZセイバーの柄を長くしたような槍であった。

「これは?」

「1つ目は“ショットイレイザー”。それを武器に組み込めば、敵の弾を消滅させることが出来るんだ。造ったのはいいけど、俺じゃあ使えないからあんたにやるよ。これは試作品だから代金は要らない。2つ目は“ハイパーチャージ”。バスターのチャージ時間を半分にする効果がある。後、その槍は“トリプルロッド”最大3段階まで伸ばせる槍で穂先に刃が出る。反動を利用して、飛び上がることも可能だ。柄の部分にはビームコーティングが施されてるからビームサーベルも受け止められるぜ。一気に突き出すと相手を吹き飛ばせる。」

「そうか…、トリプルロッド。使いやすそうだ。感謝する。しかし何故俺にここまでしてくれるんだ?」

「んー、アイリスの知り合いみたいだし、それにイレギュラーハンターの隊長であるエックスとゼロが俺の造ったパーツで大活躍なんて聞いたら依頼殺到間違いなし!!」

「それが目的か、エックスにも渡したのか?」

「ああ、エアフォースでパーツ集めしてる時に偶然会ってハイパーチャージをな。今頃フクロウルと交戦してんじゃねえかな?」

「そうか、派手にやってるなあいつは」

親友の無事を聞いて安堵するゼロ。

「何かあったら言ってくれよ。何でも直してやるから…今度はタダじゃねえけどな…ああ、そうそうルナ・アームズの宣伝を忘れるなよ」

「覚えておこう」

それだけ言うと、ゼロはトリプルロッドとバスターショットを装備して戦闘機に乗り込んだ。

「気をつけてゼロ」

「ああ、アイリス達もな」

小型戦闘機を発進させ、ゼロは近くのレプリフォース基地に向かうのであった。 
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