徒然草
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9部分:九.女は髪の
九.女は髪の
九.女は髪の
女の子の髪の毛は何と素晴らしいものでしょうか。男ならば誰もが夢中になってしまうものです。しかしあえてここで言わせて頂きますと女の子の性格や人柄というものは障子やすだれ越しに少しお話しただけでわかってしまうものです。
女の子が些細なことで無邪気に振舞ったりしただけでも男というものは夢中になってしまいます。それに女の子はほとんど熟睡することもしないで自分の身体なぞどうなってしまってもいいとさえ思いながら普通ならどうしても堪えることができないことに対してもけなげに対応できるのはひとえに男の子への愛欲を想ってのことあります。
人に恋するということは自分の意志で作り出しているものではありませんので。止まらない気持ちを抑えることはどうにもできまsねん。人は見たい、聞きたい、香りたい、舐めたい、触りたい、考えたいという六つの欲望を持っていますがこういったものは百歩譲れば我慢できないこともありません。ですがその中でもどうしても我慢できない、女の子を想って切なくなってしまうことは今もう死にそうな老人でも若者でも学者の方でもそのあたりにいるあまり賢くない人でも何も違いはないように思います。
そういうことでありますから女の子の髪の毛を編んで作った縄には象をつないでおくことができ女の子の足の香りがする靴で作った笛の音には秋に浮かれている鹿がきっと寄って来ると言い伝えられている位なので自分自身気をつけそのことを恐ろしいと想ったり身につまされなくてはならないことがこういった恋愛事や女の子の誘惑だと思った次第であります。
女は髪の 完
2009・4・24
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