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牛封じ

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第二章

「そうしてくれるか」
「はい、ですから」
「何なりと申しつけ下さい」
「そうか、ほな実際に道案内とかモンスターと戦う時とかな」
 そうした様々な時にとだ、彼も応えた。
「頼むで」
「はい、ではです」
「これより洞窟に参りましょう」
 二人の神官達、やはりどこかアフリカのシャーマンめいた服装の彼等も同行することになった。そうして若山と房江は洞窟に彼等と共に入った。
 洞窟の中に入るとサハラ砂漠にいる様なモンスター達が多く出て来た、二人はそれぞれの神具や術で戦ってだ。
 モンスター達を退けていったがその二人を助けてだった。
 戦闘に貢献していた、そして洞窟の中の道案内もしてくれた。洞窟の中には様々な罠落とし穴や隠し扉、突如として出て来る屋や落石等もあったが。
 二人が術でそういったものを見破る前に教えてくれたので二人はかなり助かった、それで彼等は休憩中に食事を摂りつつ彼等に話した。
「正直助かるわ」
「ほんまや」
 二人共持ってきた保存食の干し肉を食べつつ神官達に話した。
「罠を全部教えてくれて」
「洞窟の道案内してくれて」
「戦闘でも助けてくれて」
「ほんまに助かるわ」
「この洞窟は非常に複雑ですので」 
「それで、です」
 二人の神官は若山達に謙虚な態度で答えた。
「こうしたことはです」
「当然のことです」
「神官長に与えられた私達の責務です」
「ですからお礼はいいです」
「いや、そういう訳にはいかんやろ」
 若山は神官達に真剣な顔で答えた。
「こうしたことはな」
「お礼、つまり感謝はですか」
「忘れてはならないと」
「そや」
 その通りだというのだ。
「そやからな」
「私共にですか」
「お礼を言ってくれますか」
「そやで、それでホカモさんがオグルで」
 若山は二人のことも話した。
「キサさんがホビットやな」
「はい、私は肉体労働系で」
「私は術が得意です」
 ホカモもキサも若山に即答した、二人も持って来た干し肉等を食べている。
「それぞれの力で役立っていきますので」
「ご期待下さい」
「ほな頼むで、これからも」
「牛のところに行くまで」
「宜しくお願いします」
「その牛がどんな大きさでも」
 それでもとだ、若山は言うのだった。
「難儀を収めていこうな」
「そうしましょう」
「是非」
 二人の神官達も応えてだ、こうした休憩も挟みつつそのうえで洞窟の一番奥即ち牛がいるその場所に向かっていった。洞窟は複雑で危険が多くしかもモンスター達も多かったが。
 若山と房江は神官達の助けを受けて遂に牛の前に出た、牛は洞窟の一番奥の巨大な空間に一匹でだった。
 茶色のその巨大な姿を横たえさせて眠っていた、若山はその巨大な牛の姿を観てから房江に言った。
「もう獣っていうよりかな」
「神様やね」
「そやな」
「これだけ大きいとな」
「もうその域やね」
「起き上ったら高さだけで二百メートルはあるわ」
 そこまでの大きさだというのだ。 
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