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レーヴァティン

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第九十五話 中央部その九

「そしてあの味はな」
「やっぱりアメリカ人好みだな」
「そうだよな、カルボナーラの歴史は結構新しいか」
「そのことは覚えておくことだ」
「この世界では違う様だがな」
「結構以上に違うな」
「この世界はこの世界ということだな」
 正は久志にあらためて述べた。
「面白い世界ではある」
「ああ、じゃあピザとカルボナーラ食って」
「そしてな」
「昼も楽しもうな、それとワインにな」
 それにと言うのだった。
「ジェラートも外せないよな」
「ここに来てからずっとお昼のデザートジェラートよね」
 こう言ったのは清音だった。
「晩は晩でデザートも食べてるけれど」
「それがまた美味いからな」
 久志は清音に笑って返した。
「ここのデザートは」
「ローマのね」
「だからな」
 それ故にというのだ。
「ここはな」
「外せないっていうのね」
「本当にな」
 それこそというのだ。
「だからな」
「ジェラートも食べて」
「元気出していこうぜ」
「何かイタリア人みたいになってきてるね」
 淳二はジェラートもと言う久志に笑って話した。
「どうも」
「ははは、イタリアか」
「うん、そうね」
「悪くないな、そう言われても」
「そうなんだ」
「俺元々イタリア好きだしな」
 久志は淳二に笑って応えた。
「だからな」
「いいと思うんだね」
「戦争は弱くてもな」
 それでもというのだ。
「俺はイタリア好きなんだよ」
「この世界でもそうだと困るけれどね」
「ああ、そっちはまだ実戦見てないからな」
 肝心のそれをというのだ。
「だからな」
「何とも言えないね」
「これからだよ」
 まさにというのだ。
「本当にな」
「訓練はしてるけれど」
「モンスター退治はしてくれてるしな」
「ここまで見るとね」
「合格なんだけれどな」
「軍隊相手の戦争はどうか」
「それだよ、肝心なのは」
 戦争、それだというのだ。
「本当にな」
「そう、果たしてどうなのか」
「まさかイタリア軍みたいにな」
 久志はあえてこの軍隊の名前を出して話した。
「戦うより泣きながら命乞いとかないよな」
「ないと思いたいでござるな」
 進太の応じる言葉は微妙なものだった。
「流石に」
「そうだよな」
「大戦中のイタリア軍は」
 これは一次も二次もだ、とかくイタリア軍は戦うよりも逃げるか投降することを選ぶ軍隊だったと言われている。
「あまりにもでござった」
「本当に弱かったからな」
「迎え撃つのは一個師団でござった」
「それで援軍はな」
「十個師団でござった」
 当時のジョークで言われていたことだ。 
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