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徒然草

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63部分:六十三.後七日の


六十三.後七日の

六十三.後七日の
 正月の八日から七日にわたって行われる後七日のお祈りの際に僧侶達を束ねて指導するその方が侍達を集めて警護させたのは何時のことだったでしょうか。盗賊達の襲われてから警備をする宿直人という呼び方でありましたのがこのように物々しい感じになってしまいました。一年の計は元旦にあり、というのですがこの後七日のお祈りの結果でそういったものが見えてくるという程の大切な行事でありますのに侍達を配してそのうえで守らせていますので厳粛な感じはしませんでした。
 盗賊は確かに場所を選びませんし実に不埒な者達であります。ですがそれでも侍達を集めて守らせるというのは厳粛な趣を消してしまいますしまことに物々しいものであります。少なくともそれはお寺にあっていいものではありません。幾ら何でもこのようなことはしてはならないと思います。それを言ってもあちらの方の考えなので仕方がありませんが。それでもそうしたことをするというだけでもやはり何かが違っているのではないのかと思う次第であります。幾ら考えてもそう思えて仕方なりません。折角の後七日なのですからそうしたことはしないでおきたいと、しないでもらいたいと思う次第であります。やはりそこはお寺なのでありますから。


後七日の   完


                  2009・6・18
 
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