徒然草
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56部分:五十六.久しく
五十六.久しく
五十六.久しく
長い間会っていなく久し振りに会う人が自分から近状報告を次から次へと節操もなく話しだしてそれを止めないことは面白くありません。遠慮する必要がない程仲がよかろうとも暫く経ってから会えば多少は遠慮する気持ちが湧いてくるのだと思います。品のない人は少し外に出ますと今日の出来事などと言い呼吸している暇があるのか心配になってしまう程嬉しそうに話をします。品のある人が大勢いる場で一人だけに話をしても他の人までその話に聞き入ってしまいます。品のない者が目立ちたい一心で作り話をその場で如何にも実在したかのように再現してそれにつられて皆喜んでいるのは騒がしいことです、品のいい話をしましても全く興味を持たなかったりその反対に品の悪い話をして笑い転げたりしているのを見ればおおよそ頭の程度がわかるというものです。
人の外見の良し悪しを話し合ったりする時、また学んでいる人の場合は頭の程度等を自分と比較して話すことも何とも胡散臭く感じられます。
そのことを見るとやはり気持ちのいいものではありません。あまり人の愚かな姿を見ることもやはり見ていて心持ちのいいものではありません。やはり人は周りの目やそうしたものを意識してしっかりと行動するべきです。品のない話をする時もそれはあるでしょうがそれでも最低限の品は守っていきたいものです。そうしたものはふとしたことで表に出てしまうものですがそれでも意識して。抑えていきたいものです。
久しく 完
2009・6・11
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