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レーヴァティン

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第九十四話 モンスター退治からその九

「これがあるからな」
「はい、この島の食糧事情はです」
「かなりいいよな」
「ジャガイモは寒い土地、痩せた土地でもです」
「栽培出来るからな」
「非常に助かります」 
 食料の確保、それにだ。
「ですからこの島はです」
「食いものにはあまり困ってないな」
「そうです、それに温暖な地域も多いですし」
「水も多くてな」
「水田すらあります」
 陸稲だけでなくだ。
「ですから」
「食いものにはな」
「あまり困っていません」
 久志の言う通りにというのだ。
「有り難いことに」
「本当にそのことは有り難いよな」
「しかも魔術や錬金術のお陰で」
 こうしたものの存在もあってというのだ。
「冷凍技術も存在します」
「それで流通もいいしな」
「空船さえ使えます、高価ですが」
「だから飢餓が殆どないか」
「はい、有り難いことに」
「そのせいで人口も多いしな」
「一億どころか二億はです」
 それだけはというのだ。
「存在しています」
「島全体でそれ位いるよな」
「はい」
 まさにとだ、順一も話した。
「それもです」
「食いものがあるからな」
「そうです」
 まさにと言うのだった。
「ジャガイモにしても」
「そうです、ジャガイモはです」
「さっき言った通りにな」
「痩せた時でも育ちます」 
 順一はこのことを話した。
「ですから」
「人口も養えるな」
「実際の欧州がそうであった通りに」
「だよな、しかしな」
「しかしとは」
「いや、若しもだぜ」
 ここでだ、こうも言った久志だった。
「この島、欧州でジャガイモがないとな」
「はい、発展はです」
 それはとだ、順一は話した。
「違ってました」
「やっぱりそうだよな」
「はい」
 まさにというのだ。
「人間やはりです」
「まずは食わないとな」
「そうしなければです」
「発展どころか生きることすら出来ないからな」
「当然人口も増えません」
「人口が増えないなら」
 源三も言ってきた。
「国家としても」
「大きくなる筈がないな」
「ですから」
「欧州はか」
「まさにです」
「ジャガイモあってか」
「ドイツ等は特に」
 とりわけこの国はというのだ。
「そうですし」
「この島だってな」
「若しジャガイモがないと」
「何億もいないか」
「到底」
「そうだよな、やっぱり」
「どうもこの島と東の島は」
 源三は今自分達がいるこの二つの浮島の話をした。 
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