ロックマンX~Vermilion Warrior~
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第48話:Raid Ⅱ
マックを撃破したゼロはエックスを拘束しているメカニロイドをバスターで破壊する。
「これでエックスは助けた。おい、大丈夫かエックス?」
「あ、ありがとうゼロ…助かったよ…まさかマックがこんなことをするなんて…」
「倒したイレギュラーのことよりも今は爺達を助けるのが先決だ。ドップラーの手先がハンターベースを占拠しようとしている。エックスはベース内の敵を片付けてくれ。俺は爺とエイリアを助けてくる」
「…分かった」
ゼロから詳しい事情を聞いたエックスは若干状況についていけないながらもベース内の敵を倒しに向かう。
「まさか、これを使うことになるなんて…」
エイリアから渡された物を早速使うエックス。
エックスのアーマーが純白のアーマーに変化し、別の姿となる。
これは前回のシグマとの戦いで装着し、ゼロに破壊されたセカンドアーマーのレプリカである。
前々回の戦いで装着していたファーストアーマーのレプリカよりも再現度は上がっており、アームパーツのチャージショットはダブルチャージは撃てないが、チャージショットがダブルチャージ二発目の物となっており、ボディパーツはギガクラッシュは使えないが、防御力はオリジナルよりも向上している。
残念ながらヘッドパーツとフットパーツの能力の再現は出来なかった。
しかし、これでエックスも前回の時と同じようにある程度の無茶が出来るようになる。
「(ドップラー博士が反乱…?また、シグマの時のようなことが…)」
チャージショットを放って敵を纏めて破壊すると、悪寒を感じて飛び退く。
「一体何だ!?…あれは…マオー・ザ・ジャイアント!!本当にドップラー博士が…信じたくなかった…どうしてこうなるんだ!!」
チャージショットを放って直撃させるものの、ケインとドップラーの技術の結晶とも言うべきメカニロイドには強化されたチャージショットも通用しない。
マオー・ザ・ジャイアントはこちらに気付くと鉄球を放ってきた。
エックスはダッシュでかわしながらショットを当てていくが、相手の堅牢な装甲には傷一つ付かない。
そして鉄球の一撃をまともに受けて吹き飛ばされるが、ゼロに助けられる。
「すまん、遅れたな。爺とエイリアは無事だ。後はこいつを倒すだけだ!!」
「ゼロ!!ありがとう、助かったよ!!」
エックスとゼロがマオー・ザ・ジャイアントを相手にしている時、エイリアに止められているケインがこちらに向かおうとしていた。
「離せ!離してくれエイリア!!」
「Dr!!危険です!あなたがいてはエックス達が…」
「うるさいっ!!」
マオー・ザ・ジャイアントの巨体が一望出来る場所に来るとエックスとゼロが奮戦していた。
「マオー・ザ・ジャイアント…」
「Dr…」
「…………」
痛ましげに無言となるケインを見つめるエイリア。
ケインの脳裏にドップラーとの思い出が過ぎって唇を噛み締めながらケインは駆け出した。
「待って下さいDr!!」
エイリアも慌ててケインを追い掛ける。
「くそっ!!チャージショットが効かない!!」
「チッ!!守護神として造られただけのことはあるってことか!!」
エックスのチャージショットもゼロのダブルチャージショットとセイバーもマオー・ザ・ジャイアントの堅牢な装甲には通用しない。
「このままではジリ貧になってしまう!!何とか奴の弱点を…!!」
「左目じゃ!!」
「「!?」」
振り返るとエイリアに止められながらも叫ぶケインの姿があった。
「左目に奴の運動システムがあるぞい!!」
「Dr!ここは危険ですから早く離れないと!!」
「ゼロの連続攻撃で装甲を破れば後はセカンドアーマーで強化されたエックスのチャージショットで貫けるはずじゃ!!」
「ケイン博士…」
マオー・ザ・ジャイアントに対して思うことは沢山あるだろうに、その破壊方法を教えるケインの心境を察したエックスは複雑な表情を浮かべる。
「エックス!爺の決意を無駄にするな!!」
「…分かってる!!エイリア、ケイン博士を!!」
「分かったわ…お願い!!」
エイリアに連れていかれるケインの表情は涙でぐしゃぐしゃになっていたが、エックスはその表情に込められた想いを感じ取ってゼロと共に駆けていく。
「(ケイン博士…あなたは素晴らしい人だ…俺は戦います!!あなたの為に!!)」
「ダブルチャージウェーブ!!」
ゼロのダブルチャージショットとセイバーによる衝撃波が左目の装甲を破り、そこに続けてエックスがチャージショットを放つ。
「いけえええええっ!!」
放たれたチャージショットがマオー・ザ・ジャイアントの運動システムを破壊した。
運動システムが破壊されたことでマオー・ザ・ジャイアントは沈黙する。
そして敵の沈黙と共に消化作業と残骸の撤去が行われ、ケインは動かなくなったマオー・ザ・ジャイアントの姿を悲しげに見つめていた。
「何故じゃ…何故なんじゃドップラー…」
親友の凶行に悲しむケインの姿をエックス達はただ、見ていることしか出来なかった。
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