徒然草
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20部分:二十.某とかや
二十.某とかや
二十.某とかや
名も無い世捨て人が路上において生きているのが馬鹿馬鹿しくなってしまった自分でも空を見上げて放心しているとそれで日々の移ろいに名残惜しいと思ってしまうと言っていたことがありましたがまさにその通りだと思います。
一見するとただの世捨て人かと思ったのですがそれでも中々深いものを持っておられます。その深いものを感じ取るとこれまた静かな面持ちを感じるに至る次第でありまして。日々の移ろいはただ移ろいでいるわけではなくそこにはちゃんとしたものがあります。それを感じ取っているということはそれだけで実にいいものがあります。空を見上げて放心しているだけ、ただそれだけでも感じ取るものがありその感じ取るものがこれまた実にいいものなのであります。それを今見て非常に満足を覚えています。ただただ日を過ごすだけではなくそうしたこともあるのだとわかり。心は少し落ち着いて微笑むものにもなった次第であります。今もそのことを書きながら思い出していますがかえすがえすもやはりよいものを見たと微笑んでしまいます。こうしたことがありますから世の中は中々捨てたものではありません。時として意外な場所で意外なものを拾ってしまう、そうして自分でも気付かないうちに閉じられている目を見開かされるものなのであるのです。
某とかや 完
2009・5・5
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