| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

徒然草

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

196部分:百九十六.東大寺の神輿


百九十六.東大寺の神輿

                 百九十六.東大寺の神輿
 大和にある東大寺の神輿が都の東寺に新たに設けられたその八幡宮からまた大和に戻されることになりました。それで八幡宮を氏神とする源氏の系譜にある公卿の方がその神輿の警護に駆け付けてきました。その警護する者達の長はかの内大臣久我通基殿であられました。その久我殿達がその出発にあたって警護の者達が神輿の周りに集まっていた野次馬達を追い払うとここで太政大臣の源定実殿が宮の御前で人を追い払うのは如何なものでしょうかと咎めました。すると内大臣殿はその太政大臣殿に対して警護の者達のこの振る舞いは我々の武家の者が心得ているころです、とだけ答えてそのまま進めさせたという話であります。
 この後で内大臣殿はあの太政大臣殿は北山抄に記されたその作法だけ読んでそれだけで終わっていて西宮記にある作法を御存知ないようです。八幡宮の僕である鬼神の災いが降りかかるのを避ける為に神社の前では必ず人払いをしなくてはならないのです、と言いました。
 作法は一つだけではありません。実に細かいものです。そうしたことは出来るだけ広く踏まえておくべきなのです。


東大寺の神輿   完


                 2009・11・26
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧