徒然草
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181部分:百八十一.降れ降れ粉雪
百八十一.降れ降れ粉雪
百八十一.降れ降れ粉雪
降れ降れ粉雪、丹波の粉雪という童謡の歌詞があります。米を挽いてその時に振るいにかけた粉が雪に似ているからそれを粉雪と言うのです。丹波の粉雪ではなく貯まれ粉雪と言うのが正しいのですがこれを間違って丹波の、と歌っているのです。その後に垣根や木の枝にと続けて歌うのですと物知りな人が言っていました。
この歌は昔からこう歌われていたようでして鳥羽帝がまだ御幼少のみぎりに雪が降ると歌っていたと讃岐典侍日記という書にも書かれています。
こうして話を聞いてみますとこの話も実に興味深くかつ面白いものであります。何でもないお話と言ってしまえばそれまでのことですがそれでもこうして話を聞くと中々面白いものがあります。童謡一つ取ってもこうした様々な事情がわかるのです。たかが童謡と思っては損をするのでしょう。その奥にあるものを学んでこそ何かが得られ智恵を身に着けることができます。そうしたことを考えますとただそこにあるものを聞いているだけでは充分ではありません。そこにあるものをしかと知ることです。それが己の為にもなりますし楽しみにもつながっていきます。だからこそ童謡だといっても馬鹿にしたりはせずにしかと学んでいくべきであるのであります。
降れ降れ粉雪 完
2009・11・11
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