温泉街の騒動
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第四章
「一体」
「井東閑っていうのよ」
「ああ、井東さんっていうんか」
「箱根の土産物屋の娘よ」
「只の酔っぱらいやないか」
「違うわよ、確かにお酒は好きだけれど」
それでもというのだ。
「ちゃんと働いてるわよ、あと浴衣は私の普段着だから」
「下着もかいな」
「乳首に貼ってるのもね」
それもというのだ。
「普段着よ」
「ちゃんとブラ着けた方がええで」
「サイズに合うのがないのよ」
見ればかなり大きい、爆乳と言っていい位だ。
「それでなのよ」
「ほなさらしにするんや、とにかくな」
「胸はっていうのね」
「ちゃんとするんや、まあとにかくわたくし等も大会に参加するから」
「それでだね」
「頑張って飲んで優勝するで」
「三升飲めないとね、最低でも」
ダークエルフの女は笑ってだ、二人にこうも話した。
そしてだ、二人共だった。
飲む場所に着席した、だが。
ここでだ、参加者を見るとだった。
人だけでなく龍やうわばみもいた、神と呼ばれる者達もいてだ。流石に亜紀も何だこれはという目になって運営の者に聞いた。
「人以外も参加してええん」
「はい、来るものは拒まずがです」
「この大会かいな」
「それで、です」
「龍神もうわばみもか」
「参加出来ます」
「それでかいな」
「そうです、それで」
「ああしてやな」
「参加してもらっています」
「龍神とかうわばみとかめっちゃ飲むけどな」
人とは比べものにならないというのだ、見れば綾乃の神具である八岐大蛇まで来ているがお互いに知らないふりをした。
「ええんやな」
「お酒はかなりありますし神々は思いきりお金を出してくれますので」
「それでか」
「構いません」
運営の者の一人は亜紀に笑顔で話した、そしてだった。
大会がはじまった、二人もダークエルフの女も他の参加者達も飲むが。
龍神やうわばみの飲む量は桁外れだった、そして人の参加者達が飲むことを諦めたり酔い潰れてもだった。
彼等は飲んでいた、だがその中で。
次第に暴れる龍神やうわばみが出てきた、人ならば止められたが流石にそうした者達は止められず。
八岐大蛇が動いて八つの頭で言ってきた。
「よし、出番か」
「酒乱の神を止められるのは神だけや」
「わしは底なしやから幾ら飲んでも酔わん」
「ほな止めようか」
「いつもこうした時に備えて参加してるしね」
「いや、飲みたいからやろ」
亜紀は大蛇のところに来てこう突っ込みを入れた。
「あんたは」
「いやいや、ちゃうからな」
「わしは他の龍神やうわばみを止める為に参加してるんや」
「ご主人にもちゃんと言うてる」
「酒が好きやからやないで」
「本音出てるし、それにここはわたくし等に任せてくれるか」
亜紀は大蛇にあらためて告げた。
「これが神託かも知れんし」
「ああ、龍神とかうわばみとか強いからな」
「そんな連中が数匹暴れてるけどな」
「それ止められるって凄いことや」
「並の冒険者やと無理や」
「それでや、今からやったるわ」
こう大蛇に言うのだった。
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