温泉街の騒動
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第一章
温泉街の騒動
谷崎亜紀と三島麻里佳の二人は今は亜紀の神託を受けて箱根に来ていた、箱根はこの世界でも温泉街だ。
それで今はその温泉の一つに二人で一緒に入ってだった、亜紀は一緒にいる麻里佳に対して言っていた。
「これからよね」
「そうやな、目的地にまで来たし」
麻里佳は共に湯舟、露天風呂のそこに入っている彼女に応えた。
「あんたの神託をな」
「適えることになるわね」
「まああーし等戦闘は専門外やけど」
麻里佳は建築士で亜紀は官僚だ、それぞれ太平洋全域の建築と教育に対してかなり重要な働きをしている。
このことからだ、麻里佳は言うのだった。
「まあ出来るって言えばな」
「出来るわね」
「そうやね、術も一通り使えるし」
「あーしには大工道具もある」
「その大工道具がよね」
「これが滅法強いわ」
戦闘にも使えるというのだ。
「トンカチも錐もな」
「立派な武器ね」
「そや、建築士もこの世界やとな」
「普通に大工道具も使って」
「他の道具も使うけど」
こちらもというのだ。
「充分強いから」
「それでよね」
「戦闘は出来るわ」
「わたくしは格闘は無理やけど」
それでもとだ、亜紀も麻里佳に応えて話した。
「それでも術は使えるから」
「ここに来るまでにも戦闘やってきたし」
「今度もね」
「やってこな」
「そうしましょうね、ほな次は」
亜紀は麻里佳に温和な笑顔でこうも言った、山羊のその顔にそうした笑顔が実によく似合っている。
「水風呂に入って」
「身体冷やしてな」
「サウナに入る?」
「サウナさっき入ったやん」
麻里佳は亜紀の提案に笑って返した。
「それも二回も」
「わたくしサウナ好きやから」
それでとだ、亜紀は麻里佳に答えた。
「それでやけど」
「そうなん、けどあーしはな」
「麻里佳ちゃんはもうええのん」
「次は菖蒲湯入ろうや」
この温泉の中にあるそこにというのだ。
「そうしよや」
「菖蒲湯やね」
「サウナよりもな」
「そうしてやね」
「楽しまへん?」
こう亜紀に提案するのだった。
「これからは」
「そやね、確かにサウナは二回入ったし」
「もう充分やろ」
「ほな次は」
水風呂で一旦身体を冷やしてというのだ。
「菖蒲湯やね」
「あとここ柚子湯もあるし」
「そっちにも入って」
「楽しもうな」
「そやったらな」
亜紀も頷いてだ、そうしてだった。
二人で菖蒲湯に入り柚子湯にも入った、その後は浴衣姿で箱根の温泉街を歩いていたがその街の中を歩くことは。
散策を楽しむ為だったがそれと共に神託も探していた。亜紀の神託だったので彼女は自分の隣にいる麻里佳に言うのだった。
「わたくしの神託やけど」
「何かが問題やね」
「それやね、さて」
首を傾げさせてだ、亜紀は述べた。
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