悪魔の書
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第四章
「その中には所謂魔導書もあり」
「ああ、ネクロノミコンみたいな」
由香は魔導書と聞いてこの書の名前を出した、尚この書は四人が起きている世界では実在しない書である。
「グリモワールとか」
「実はどちらもこの図書館にあります」
「ありますの」
「はい、そして厳重に保管されています」
どちらの書もというのだ。
「そうして影の書という書もありまして」
「影ですか」
「はい、影です」
まさにというのだ。
「そして天使の影はです」
「私等が見た」
「文学のコーナーで見ましたか」
「横を通り過ぎて」
そしてとだ、由香はその見た時の話をさらにした。
「その後で四人で探したら四人共その影が図書館の中走ってるの見たんです」
「その天使は書の番人です」
「書を守る」
「はい、書の中において」
こう由香に話すのだった。
「書に封じられている魔を監視する」
「何でその影が出てるんですか?」
「若しかして」
深刻な顔になってだ、司書は由香そして他の三人に話した。
「書に書かれて封印されていた魔が出たのかも知れないです」
「あの、そもそもです」
由香は竹立に怪訝な顔になって尋ねた。
「その影の書って何を書いてるどんな書なんですか」
「影の悪魔、かつて欧州で暴れ回ったこの悪魔について書いてです」
「そしてなんですか」
「書いた偉大な魔術師がその悪魔と戦い封じた」
「そうしたものですか」
「そうです、そしてその書をです」
「この図書館で所蔵してですか」
由香もここまで聞いて述べた。
「大事に保管してですか」
「影の悪魔も出ない様にしてました」
「それで天使の影はですね」
「悪魔が出ない様に監視する役目を魔術師に生み出され果たしていましたが」
「その影が出るとなると」
「この図書館にです」
竹立は由香にさらに話した。
「そう思いたくないですが」
「影は出てますか」
「おそらく、あの悪魔は星の皆さんに匹敵するまで強大とのことです」
「それで天使はその悪魔を追っていますか」
「そうかと」
「わかりました、ほなその影何とかです」
由香も他の三人もだった、いつもの能天気な笑顔ではなく真剣な顔になってそのうえで司書の人に応えた。
「うち等が見付けて」
「そうしてですか」
「やっつけて書の中に戻します」
このことを約束してだった。
四人はすぐに図書館の地下深く関係者も館長の許可を得ないと入ることの出来ない場所に保管されているその影の書を見せてもらった、書はこの世界のかなり古い文字と言葉エルペラント語を思わせるそれで書かれていた。
そこに挿絵の様に冒頭にあった天使そして悪魔の姿がだった。
どちらもなかった、竹立はそれを見て四人に言った。
「間違いありません」
「そうですか」
「はい、天使も悪魔もです」
「出てますか」
「おそらく悪魔がこの厳重な警護すらです」
「破ってかい潜って」
「書の外に出たので」
それでというのだ。
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