徒然草
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169部分:百六十九.何事の式
百六十九.何事の式
百六十九.何事の式
何かしらのしきたりという言葉は後嵯峨帝の頃まで言われなかった言葉です。どうやらこの言葉は最近出て来た言葉のようです、とあり人が言っていました。ですがこの言葉につきましては建礼門院の右京大夫殿が後鳥羽帝の即位の際に再び宮仕えされたときに世の中のしきたりは何も変わってはいません、と書いていました、ですがこの頃からあったのだと思います。
言葉は調べてみるとこの頃から使われていたのか、それとも別の頃に使われていたのかそういうことがわかりにくい時があります。そこに見極めるのが難しいことでもあります。ですがよく調べていけばこうしたこともわかってくるものであります。だからこそ学問は大事なものであります。そこから面白いことがわかってくるからです。この話も同じでありまして調べていくと後嵯峨帝の頃から使われているのではなく後鳥羽帝の御代にはもう使われていることがわかります。調べればわかることなのです。ですから学んでも何も得られないと諦めるのはいいことではありません。そこからは必ず得られるものがあります。それを忘れずに、また諦めずに学問をつづけるべきなのであります。それをしていけばおのずと学識が深いものになっていくのであります。何事も地道にしていかなければいけません。
何事の式 完
2009・10・30
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