レーヴァティン
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第九十二話 堺からその一
第九十二話 堺から
大坂の主となり政をはじめた英雄はまずは大坂周辺の村にしきりに声をかけた、そのうえでだった。
多くの村を次から次に自分達の勢力に降していった、その中には大坂の寺社が持っていた多くの荘園もあった。
その為多くの生産地も手に入った、英雄はこのことについて大坂城の御殿で言った。
「大坂だけでなくな」
「その周りの村々に寺社の荘園もでござるな」
「手中に収まってきている」
「これで、であります」
「食いものにも困らないな」
「大坂の街は豊かでござるが」
それでもとだ、智は英雄に話した。
「街でござるからな」
「田畑はないからな」
「だからでござるよ」
「村も必要だ」
田畑が多くあるそこがというのだ。
「だからだ」
「街の次は、でござるな」
「田畑と考えていたが」
「その村もでござる」
田畑を持つそこもというのだ。
「我等が声をかけて」
「そしてな」
「この通りだ」
まさにというのだ。
「年貢等をして入る様に勧めるとな」
「次々に入っているでござるが」
「どうもだ」
こうも言う英雄だった。
「俺が出した年貢の率は低い様だな」
「賦役の際の報酬も出したでござるが」
「それもいい条件か」
「そして村への政も」
「田畑、堤や道や橋を整える」
「そう言えばでござるな」
「次から次に入ってきている」
そうした状況だった、まさに。
「思えばこれまで個々の村に別れていた」
「村は村でやっていたでござるな」
「その為政にも限界がありな」
その村だけでことを為そうにもだ、人や銭に限りがあり思い切ったことが出来なかった村が殆どだったのだ。
それでだ、英雄も言うのだった。
「俺達が治めるならか」
「それも言った様にすれば」
「いいということか、しかもだ」
英雄はさらに話した。
「村を護るとも言ったが」
「それが一番大きいでござるな」
「勢力に収めた場所は守る」
自分の領域となった場所はというのだ。
「絶対にな」
「それは、でござるな」
「主なら当然のことだが」
「どの村も賊や魔物から自分達を護る」
「それはかなりの苦労だ」
「その苦労を拙者達が引き受ける」
「ならばだな」
自分達を護ってくれるならだ。
「村もそれならとなるな」
「そうでござるな」
「ならな」
「村が降るでござるな」
「そうなるな、ではだ」
「これからもでござるな」
「大坂の周りの村にだ」
それにと言うのだった。
「街もだ」
「岸和田等も」
「声をかけていく」
「そしてでござるな」
「勢力に収めていく」
「では」
「声をかけていく、今は誘いをかけてどの村も勢力に入っているが」
しかしと言うのだった。
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