ドリトル先生と日本の鉄道
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第十一幕その十一
「もうこちらもわかっていましたから」
「抗議が来るとですね」
「わかっていますから」
「それでは」
「はい、このお話はです」
「受けて立ちますね」
「そして退きません」
先生に鉄道博物館の考えを伝えるのでした、そして先生も鉄道博物館の決意を知ってでした。宮田さんにあらためて言いました。
「では僕も」
「これまでのお話通り」
「受けて立ちます」
抗議が来たその時はというのです。
「疚しいことはないのですから」
「それだけにですね」
「はい、受けて立って」
そうしてというのです。
「そしてです」
「退かれないですか」
「そのつもりです」
「かなり暴力的な行為もです」
「してきかねないですね」
「勝手にこけて暴力を振るわれたともです」
そうした行為もというのです。
「してきますが」
「何、そうしたこともです」
「先生もですか」
「わかっているつもりなので」
「それでは」
「そうした時は動画として記録すれば」
暴力を振るわれたと言われてもというのです。
「証拠として残っているので」
「勝手にこけられたりしてもですね」
「安心出来ます、ですから」
「彼等が来てもですね」
「安心して下さい、僕がまずです」
「前に出られますか」
「そうします、僕は確かにスポーツ勿論格闘技は全く出来ませんが」
それでもというのです。
「知識と理論があります」
「その二つがですか」
「ありますので」
「彼等にもですね」
「対することが出来ます」
「先生の武器は学問ですね」
「そうなりますね、銃も剣も持ったことがありませんが」
鞭もです、そうしたこととは無縁なのが先生です。
「武器となるとです」
「学問ですね」
「ペンは剣より強しではないですが」
「学問は暴力に勝りますね」
「はい、暴力は所詮小さな力です」
先生はこう考えています、そもそも暴力というものに対して肯定的なものは一切持っていないのです。
「ですが学問は」
「無限の力がありますね」
「ですから」
「彼等が暴力やそれに準ずるものをと使っても」
「僕には学問があります」
「だから安心されていますね」
「ですから」
実に落ち着いた穏やかなお顔で言う先生でした。
「ご安心下さい」
「それでは」
宮田さんも笑顔で応えました、そしてです。
先生は今はことの状況を見守りました、若し何かが起こったらその時は動こうと心の中で決意しながら。
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