邪眼の少女
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三章
「かなり」
「そうですか」
「最後の材料はカトプレパスの涙です」
「カトプレパスですか」
「はい、あの」
牛に似ているがその首は何メートルもありかつ非常に細い。大抵は水中にいて首を伸ばして草を食べて生活をしている。大人しいがその目には見たものを石に変える能力がある。
「見たものを石に変える魔物ですが」
「それなら」
「この辺りにいるだすか」
「はい」
その通りだとだ、宮子は答えた。
「この村から西に山を二つ越えたところにある川の中に」
「そうだすか」
「その川は魔物が多くいて」
それでというのだ。
「カトプレパスもいます」
「そうだすか、では今からだす」
「行ってきますか」
「あとメデューサの涙でもいいですが」
「メデューサはいません」
「そうだすか」
「いるのはカトプレパスです」
この魔物だというのだ。
「いるのは」
「わかっただす、では今からだす」
「山を二つ越えてですか」
「その川に行くだす」
村長にこう答えてだった、宮子は雪路と共にカトプレパスの涙を手に入れに魔物がいる川に向かった。
その途中多くの魔物が出たが二人で全て倒した、そうして川まであと少しとなったところでだった。
ふとだ、宮子は雪路に共に山道を進みつつ言った。
「カトプレバスは見たものを石にするだすが」
「私達ならその視線をかわせるしね」
「そして元々大人しい魔物だす」
「あっちから襲って来ないわよ」
このことは雪路も知っていて言えた。
「そうよね」
「だからだす」
それでというのだ。
「特にだす」
「眠らせたり麻痺させたりして」
「そうしてだすよ」
術でそうしてというのだ。
「涙を貰えばだす」
「それで終わりね」
「そうだすが」
「さて、じゃあね」
それならとだ、雪路も頷いてだった。
川まで来た、すると多くの人や獣、魔物の石像があったが。
その石像達を見てだ、宮子は首を傾げさせて雪路に話した。
「どうも」
「おかしいわね」
「雪路ちゃんもわかっただすか」
「どうもね」
雪路もこう述べた、その石像達を見て。
「カトプレパスは大抵川の中にいてね」
「川から出ることは少ないでごわす」
「あの首と頭が陸地じゃ厄介になるからね」
「だからだすよ」
生物としてそうした問題点、弱点があるからだというのだ。
ページ上へ戻る