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ドリトル先生と日本の鉄道

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第十一幕その六

「全般を確かにすることも」
「考えているんだね」
「お金も技術も知識も人手もかなり必要だよ」
「その全てを揃えて」
「そしてだよ」
 そのうえでというのです。
「鉄道を敷いていくよ」
「そうしてくことをね」
「先生もだね」
「心から願っているよ」
「応援宜しくね。日本からの援助の約束をしてくれたし」
「それは大きいね」
「こうした時も日本って凄く頼りになるんだよね」
 王子の言葉はしみじみとしたものになっていました。
「本当にね」
「凄い援助をしてくれるからね」
「お金出してくれて技術を教えてくれて」
「教えてくれる人もね」
「そう、お国に派遣してくれて」
 そうしてくれてというのです。
「自分達で動いてくれてね」
「本当に助かるよね」
「だからね」
 それでというのです。
「日本が協力を約束してくれて嬉しいよ」
「それは何よりだね」
「それも快諾してくれたんだ」
 交渉の状況もお話する王子でした。
「首相さんがね」
「そうそう、日本はこうした時はね」
「すぐにどうぞ協力させて下さいって言ってくれてね」
「実際にそうしてくれるね」
「嬉しいことにね」
「王子のお国も随分と助けてもらっているね」
「これまでね」
 日本との交流の中で、です。
「本当に助けてもらっているよ」
「いいことだね」
「だから僕の国では日本は大人気だよ」
「それはいいことだよ」
「先生もそう思うんだね」
「うん、日本に住んで長くなったしね」
 思えばそうなっています、先生にしても。
「愛着も出て来ているしね」
「住んでもいい国だよね」
「とてもね。だから王子と王子の国の人達がそう思ってくれるとね」
「嬉しいんだね」
「そうだよ、まあ日本には変な人もいるけれど」
「変な人はどの国にもいるけれどね」
「マスコミや学校の先生や市民団体に多いからね」
 それでというのです。
「鉄道博物館のこともね」
「そうだよね」
「抗議とかしてきそうだしね」
「困るよね」
「ちょっとだけの変な人がとびきり変な国だよ」
「そこが残念だね」
「うん、けれどね」
 それでもとです、先生は王子にあらためて言いました。
「本当にいい国だよ」
「そのことは事実だよね」
「うん、心からそう思っているよ」
 先生は王子に笑顔で答えました。
「景色は奇麗で街は楽しくて人達は親切でね」
「しかも食べものもお酒も美味しい」
「その二つもいいよね」
「先生もすっかり食道楽になったね」
「イギリスにいた時と比べるとね」
「本当にそうなったね」
「イギリスはね」
 先生の祖国で何と言っても一番好きと言っていいお国です、先生も祖国への愛情はかなりのものです。
「食べものについてはね」
「お世辞にもだからね」
「そうだからね」
「というかいつも世界中に言われるね」
「イギリスの食事のことは」
「いいことは言われないよ」
 本当にというのです。 
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