徒然草

百二十三．無益のこと

　　　　　　　　　　　　　　　　　百二十三．無益のこと
　無駄な時間を過ごすというとは愚か者や勘違いを行う人がすることと言っていいものであります。それこそ国の為、お店の売り上げの為にとやりたくないことをする羽目になる時は結構あります。その結果としまして自分が自由になる時間はそれこそ情ない程少ないものになってしまいます。よく考えてみますと人として生きていく為に必要なことといいますとまず最初に来るのは食べ物、そして次に着る服、三番目に住居、その三つ位であります。世間で大切だと思われていることは実をいいますとこの三つ以外何もないものと同じなのであります。餓死せず凍死することもなく雨風を凌げてそのうえで静かに過ごせるのならばそれでいいのではないでしょうか。しかし人は誰でも必ず病気になってしまうものであります。病気にかかってしまうとそれでもう苦しくて仕方のないものになってしまいます。それで医学についても忘れるわけにはいきません。衣食住の三つにそこに薬を加えましてそれでこの四つのことがままならないということを貧しいと言います。この四つが何とかなればそれだけで裕福と言います。四つ以外の物欲を満たそうということを強欲と言います。この四つだけでそのうえで爪に火を灯してそのうえで生きていけば誰でも満たされないなどと思うでしょうか。思うとすればやはりそれこそが強欲と言うのだと思います。


無益のこと　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００９・９・１４