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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百七十話

一夏が扉を開けると、コートを脇に抱えたアルシャーヴィン姉妹がいた。

「「トリックオアトリート!」」

「………………お前らの格好が一番の悪戯だよ」

アルシャーヴィン姉妹を急いで屋内に招き入れる。

「その格好は?」

「箒ちゃんが昨日もってきたよ」

「あの淫乱狐め…」

エレンとリムがソファーに座ったタイミングで、呼び鈴が再び鳴った。

「箒か」

淫紋を通じて、誰が来たかを悟った一夏は、手にサイオンを込め始めた。

そして扉を開けると同時。

「テメェ! リムとエレンになに着させてんだオラァ!」

思い切りサイオン弾を放った。

「おっと…いきなりだな一夏」

箒は上体を大きく反らし、ソレをよけた。

勢いを着けて箒が体を戻すと、胸がバルンと揺れた。

「眼福だっただろう? バニーガール幼女」

「アイツ等にあの格好させて自分はソレってどうなの?」

箒が来ているのは狩衣という衣装だ。

基本的に宮司や神主が着る服だ。

ただし、髪は金色に染まり、尻尾や耳がある。

「意外性を重視してみた。それとなぜか今回は髪が金色になったのだが」

「稲荷との親和性が上がったからじゃないか?
俺は橙が元々黒猫だったから、そこら辺はよくわからんがな」

一夏がくるくると指で金色の髪を弄る。

「お前の格好は…………アリスか?」

「うん」

一夏の格好は青と白のエプロンドレス。

そして猫耳と尻尾。

くるりと一回転すると金色の瞳と同じ色に染まったブロンドがフワリと舞う。

「姉さんはどうした?」

「見てのお楽しみ」

箒が織斑家に入ると、アルシャーヴィン姉妹が出迎えた。

「よく似合っているぞ二人とも」

エレンとリムはお揃いのバニーガール衣装を…網タイツやら肩だしレオタード等を着て、頭にウサミミカチューシャをつけている。

「ん? 円香はどうした?」

「ああ、円香なら…」

と一夏が言った所で、リビングから円香が飛び出してきた。

「あ! お帰りなさい箒ちゃん!」

燕尾服、モノクル、首に下げた懐中時計。

そして、アルシャーヴィン姉妹と色違いで、ロップイヤーのウサミミカチューシャ。

「ほう時計ウサギか」

「うん!」

リビングに入ると、姉が出迎える。

「おうおう! 似合ってるじゃねーか箒ちゃん!」

「なぜ姉さんだけアニメキャラなんだ…」

箒がため息をつく。

「えー?これ似合ってないー?」

束はミニスカートのメイド服を着て、物々しい剣を携えていた。

何時ものウサミミもファーを被せてある。

「うーん…月見璃兎って結構お気に入りのキャラなんだけどなぁ…」

「だったらもう少し外面をよく…ふむぐぐぐ……」

「なにか言ったかなー? いっ君ー?」

「んむっ‼ むー!」

一夏の顔に胸を押し付けるとふみょんと形が変わる。

「やぁん…そんなにお口動かしたら…」

「子供の前だぞ」

箒が姉に対し、サイオン弾を射つ。

「いったぁぁい! いっ君箒ちゃんがいじめるのぉー!」

「はいはい。後でちゃんと虐めてあげるから」

「わーい!………………………んん”!?」

束が首を傾げる。

「まぁ、それはそれとして…エレン、リム。パーティーには早くないか?」

一夏が指差す時計は8時を示していた。

一夏が一堂を集めたのは10時半だ。

「お兄さんを愛でに来ました」

「お姉ちゃんを啼かせにきたよー」

「あ、そ……」

一夏が二人の足元から上に順に視線を移す。

「寒くねぇの?」

「リムが魔法で熱を起こして」

「エレンが魔法で暖気を閉じ込めて来ました」

二人が両の人差し指を掲げる。

右手の人差し指にはサイコEカーボンのリングが。

左の人差し指には指輪型CADが嵌まっている。

サイコEカーボンリングは束が用意した物で、CADリングは一夏が作った物だ。

IS技術の応用で、子供の指輪サイズに思考操作式汎用型CADの機能を組み込んでいた。

中身は生活系魔法がほとんどで、攻撃魔法はたった五つだ。

「ふーん……二人だけで来たのか?」

「そうですよ?」

「はぁ…いや、まぁ…どうせシルヴヴァインの誰かがついてるか…」

「あ、それなら巻いたよ」

「何してんだお前ら!?」

一夏が大急ぎでウィンドウを開き、メッセージを打つ。

「もうするなよー」

「はーい」

そこで再び家のチャイムが鳴った。

「ん…神原か」

「わかるのか?」

「気配でな」

一夏がトコトコ歩いて玄関へ。

がチャリとドアを開ける。

「ッ……!」

一夏が一気に飛び退き、廊下の突き当たりの壁に着地する。

前方にファランクスを展開し……跳躍。

相対するは……黄色いレインコート。

雨合羽の悪魔の拳とファランクスが激突する寸前。

一夏がピタリと空中で制動する。

「悪趣味が過ぎるぞ神原」

「なんだわかってしまうのか……。せっかくご主人に色々責任を取って貰おうと思っていたのに」

神原がレインコートのフードを脱ぐ。

「やぁ。トリックオアトリートだ」

一夏は少し思案し………

「おい…………パイ食わねぇか?」

右手にパイを量子展開し、神原の顔に叩きつけた。

「ふべっ…!?」

「ちゃんと顔洗えよ」

それだけ言うと一夏はスタスタと家の中へ戻っていった。








「ねぇ…私は無視なのかしら」

神原の後ろでほむほむのコスプレをしていた直木が寂しそうに呟いた。 
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