カルディア侯爵の挑戦状
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秘密を暴け
席を立ちコーテリアの両手首を取りそのまま机に押し倒す。
〔あっ…〕
2人の吐息が漏れる。触れる唇に溶け合う体温にもっとと欲しがる自分がいる。少し冷たい中が心地いい。
〔待って…〕
コーテリアは俺の前に手を出す。
(…なぜ?)
〔…またいつか夜に会いましょう?〕
弱々しく言うコーテリアにキュンとくる。少し火照っているコーテリアを机から下ろした。
〔とりあえず変わりますから。挨拶ぐらいは。〕
そうコーテリアに勧められ会うことにした。
[変わったよ。]
満足げな表情を見せる。また少し声音が変わる。彼女はルーティアだ。
(またあったね。)
[えぇ。それより…コーテリア貴方に何か言わなかった?]
男はそっちのけかと思いつつ答える。
(何も…どうして?)
[コーテリア。私達にも内緒にしていることがあるのよ。]
少し悔しそうに話すルーティア。その二人の発言でだんだん話があってくる。
[お願いしてもいい?コーテリアの秘密暴き。]
少し申し訳なさそうにするルーティア。よほどコーテリアのことが心配なのだろう。見たところコーテリアは自分だけ背負って突っ走るタイプだ。
(どうして?)
わざと聞く。ルーティアが言ってくれるとはわからないが交換条件として受け取ってくれたならきっと答えるだろう。
[ほんとずる賢いのね。いいわ。あれはコーテリアが私たちを離した時…ルーシェと話し合ったの…]
つまり、ルーシェが熊に襲われた時の傷が瞬時に治っていた。それがおかしい…か。
(たしかにおかしいかもしれないが魔力が強い人ほど自己回復能力に長けているから…)
続きを言おうとしたがルーティアは首を振った。少しうつむいたままだった。
{ねぇカルディア侯爵?}
髪色が変わる。一人だけ金色だから瞬時にわかる。
(何?)
ルーシェは自分の手を胸に当て一生懸命な顔をする。
{私たちはお互いに意識を離すことができます。だから話します!良いですか?!}
頑張って勢いで言った感じだろう。意思が伝わる。クスッと笑ってしまう。
(いいよ。)
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